「昔むかし、昔むかしのお話はなしです」
詩人しじんの男おとこは世界せかいを憎にくんで 森もりの奥おくに住すむ
若わかくして死しんだ娘むすめのために 詩しをつづった
その言葉ことばは風かぜにのって 森もりをぬけて
街まちにふって 蝶ちょうの群むれとなり
蝶々ちょうちょうの群むれは ムラサキの色いろに空そらをおおった
ムラサキの色いろに触ふれた者ものは みな気きがふれてしまった
おびえる者ものたちは 詩人しじんを追おった
森もりをぬけて詩人しじんは海うみへ ボートに乗のって
オーム(オーム、オーム、オーム)x2
私わたしは眉まゆを剃そって オーム(オーム、オーム、オーム)x2
新月しんげつの夜よるも休やすまず オーム(オーム、オーム、オーム)x2
詩うたをつづろう オーム(オーム、オーム、オーム)x2
世界せかいを憎にくむ詩うたを
「詩人しじんはとある小島こじまに 流ながれ着ついた
犬いぬと猫ねことコウモリとピエロが 彼かれを迎むかえた
私わたしはこの世よの全すべてを憎にくむ 憎にくんでも 憎にくんでも
まだ余あまるこの世よの全すべてを 言葉ことばで燃もやし尽つくしてみせよう
力ちからを貸かしてくれ だがおびえたピエロの密告みっこくで
詩人しじんは警官隊けいかんたいの 銃弾じゅうだんに倒たおれた
その夜よる 犬いぬはワンワンと吠ほえ 猫ねこはニャーニャーと鳴なき
そしてコウモリは黙もくして 語かたることがなかったのであった」
でも言葉ことばだけは 風かぜにのって
いくつもの街まちを越こえて 蝶ちょうの群むれとなり
オーム(オーム、オーム、オーム)x2
詩人しじんの屍しかばねは オーム(オーム、オーム、オーム)x2
海うみを越こえ 北きたの国くにへ オーム(オーム、オーム、オーム)x2
その国くにの漁師りょうしによって オーム(オーム、オーム、オーム)x2
手厚てあつく葬ほうむられたと言いう
「昔mukashi、昔mukashiのおnoo話hanaしですshidesu」
詩人shijinのno男otokoはha世界sekaiをwo憎nikuんでnde 森moriのno奥okuにni住suむmu
若wakaくしてkushite死shiんだnda娘musumeのためにnotameni 詩shiをつづったwotsudutta
そのsono言葉kotobaはha風kazeにのってninotte 森moriをぬけてwonukete
街machiにふってnifutte 蝶chouのno群muれとなりretonari
蝶々chouchouのno群muれはreha ムラサキmurasakiのno色iroにni空soraをおおったwoootta
ムラサキmurasakiのno色iroにni触fuれたreta者monoはha みなmina気kiがふれてしまったgafureteshimatta
おびえるobieru者monoたちはtachiha 詩人shijinをwo追oったtta
森moriをぬけてwonukete詩人shijinはha海umiへhe ボboートtoにni乗noってtte
オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
私watashiはha眉mayuをwo剃soってtte オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
新月shingetsuのno夜yoruもmo休yasuまずmazu オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
詩utaをつづろうwotsudurou オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
世界sekaiをwo憎nikuむmu詩utaをwo
「詩人shijinはとあるhatoaru小島kojimaにni 流nagaれre着tsuいたita
犬inuとto猫nekoとtoコウモリkoumoriとtoピエロpieroがga 彼kareをwo迎mukaえたeta
私watashiはこのhakono世yoのno全subeてをtewo憎nikuむmu 憎nikuんでもndemo 憎nikuんでもndemo
まだmada余amaるこのrukono世yoのno全subeてをtewo 言葉kotobaでde燃moやしyashi尽tsuくしてみせようkushitemiseyou
力chikaraをwo貸kaしてくれshitekure だがおびえたdagaobietaピエロpieroのno密告mikkokuでde
詩人shijinはha警官隊keikantaiのno 銃弾juudanにni倒taoれたreta
そのsono夜yoru 犬inuはhaワンワンwanwanとto吠hoえe 猫nekoはhaニャnyaーニャnyaーとto鳴naきki
そしてsoshiteコウモリkoumoriはha黙mokuしてshite 語kataることがなかったのであったrukotoganakattanodeatta」
でもdemo言葉kotobaだけはdakeha 風kazeにのってninotte
いくつものikutsumono街machiをwo越koえてete 蝶chouのno群muれとなりretonari
オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
詩人shijinのno屍shikabaneはha オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
海umiをwo越koえe 北kitaのno国kuniへhe オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
そのsono国kuniのno漁師ryoushiによってniyotte オoームmu(オoームmu、オoームmu、オoームmu)x2
手厚teatsuくku葬houmuられたとraretato言iうu