錆さびた扉とびらの軋きしむ音おとに 眠ねむる年月としつき
触ふれた指ゆびから掠かすれてゆく 古ふるい文字盤もじばん
時ときを忘わすれた場所ばしょで さざめく詩うたは
いつか誰だれかが擁いだいた 未来あしたへの祈いのり
色褪いろあせ 象形かたちを無なくすモノの記憶きおく
吹ふき込こむ風かぜが砂すなを攫さらい 晴はれた視界しかいに
鍵かぎの壊こわれた小ちいさな箱はこ そっと開ひらいて
想おもいを仕舞しまう場所ばしょで 出逢であった詩うたは
かつて貴方あなたが生うまれた 故郷こきょうの言葉ことば
「風ジルフェを愛あいする者ものに祝福しゅくふくを」
旅立たびたつ我わが子こへ 手渡てわたす飾かざりに
よく似にた習ならいを 知しっているよ
こころ山やまを谷たにを幾度越いくどこえて あて無なき旅路たびじ
辿たどり着ついた遺跡いせきの街まち 遠とおい異国いこくで
交まじわる風かぜ 還かえる場所ばしょは──
かつて私わたしが生うまれた 戻もどれぬ故郷こきょう
暖あたたかい家いえは其処そこにはもう無ない
象形かたちは消きえても 響ひびき合あう魂こころ
誰だれかに手渡てわたし 繋つないでゆこう 永久えいきゅうに…
錆saびたbita扉tobiraのno軋kishiむmu音otoにni 眠nemuるru年月toshitsuki
触fuれたreta指yubiからkara掠kasuれてゆくreteyuku 古furuいi文字盤mojiban
時tokiをwo忘wasuれたreta場所basyoでde さざめくsazameku詩utaはha
いつかitsuka誰dareかがkaga擁idaいたita 未来ashitaへのheno祈inoりri
色褪iroaせse 象形katachiをwo無naくすkusuモノmonoのno記憶kioku
吹fuきki込koむmu風kazeがga砂sunaをwo攫saraいi 晴haれたreta視界shikaiにni
鍵kagiのno壊kowaれたreta小chiiさなsana箱hako そっとsotto開hiraいてite
想omoいをiwo仕舞shimaうu場所basyoでde 出逢deaったtta詩utaはha
かつてkatsute貴方anataがga生uまれたmareta 故郷kokyouのno言葉kotoba
「風jirufeをwo愛aiするsuru者monoにni祝福syukufukuをwo」
旅立tabitaつtsu我waがga子koへhe 手渡tewataすsu飾kazaりにrini
よくyoku似niたta習naraいをiwo 知shiっているよtteiruyo
こころkokoro山yamaをwo谷taniをwo幾度越ikudokoえてete あてate無naきki旅路tabiji
辿tadoりri着tsuいたita遺跡isekiのno街machi 遠tooいi異国ikokuでde
交majiわるwaru風kaze 還kaeるru場所basyoはha──
かつてkatsute私watashiがga生uまれたmareta 戻modoれぬrenu故郷kokyou
暖atataかいkai家ieはha其処sokoにはもうnihamou無naいi
象形katachiはha消kiえてもetemo 響hibiきki合aうu魂kokoro
誰dareかにkani手渡tewataしshi 繋tsunaいでゆこうideyukou 永久eikyuuにni…