「ぎおんしょうじゃの~かねのこえ~」
「諸行無常しょぎょうむじょうの響ひびきあり」
「娑羅双樹さらそうじゅの花はなの色いろ」
「盛者必衰しょうじゃひっすいの理ことわりをあらはす」
「おごれる人ひとも久ひさしからず」
「ただ春はるの夜よるの夢ゆめのごとし」
二ふたつの力ちから ぶつかれば
散ちる 激はげしき火ひの花はな
咲さき乱みだれ 咲さき狂くるい
跡あとに残のこるは 一面いちめんの血ちの海うみ
朱殷しゅあんに染そまった 結末けつまつ
「寿永じゅえい三年さんねん二月にがつ。一いちの谷たににて」
断崖だんがい絶壁ぜっぺきを背せに 陣じんを敷しく平氏へいし
崖がけの上うえの 義経よしつね公こうは言いった
「絶壁ぜっぺきを駆かけ下おり 奇襲きしゅうをしかける」
迷まようことなく 先陣せんじんを切きる 勇いさましき背中せなか
「戦いくさの申もうし子ご」
下くだりきる前まえに 勝鬨かちどきを上あげた
その声こえが咲さき散ちらす 勝利しょうりの火花ひばな
「寿永じゅえい四年よねん二月にがつ。屋島やしまにて」
時ときは夕刻ゆうこく戦場せんじょうは 休戦きゅうせん状態じょうたい
小舟こぶね一隻いっせき 平氏へいしからの挑発ちょうはつ
「この扇おうぎの的まとを 射抜いぬいてみよ」
もしも外はずせば 源氏げんじの名折なおれ
義経よしつね公こうに 嗾けしかけられた
与一よいちの覚悟かくご
与一よいちの覚悟かくご
「なむはちまん」
見事みごと射抜いぬいて 凱歌がいかが上あがる
その歌うたが咲さき散ちらす 勝利しょうりの火花ひばな
「寿永じゅえい四年よねん三月さんがつ。壇だんノ浦うらにて」
二ふたつの力ちから ぶつかって
舞まう 美うつくしき火ひの花はな
咲さき乱みだれ 咲さき狂くるい
「はじめは潮流ちょうりゅうに乗のった平氏へいし方かたの優勢ゆうせい」
「しかし、潮しおの流ながれと共ともに形勢けいせいは逆転ぎゃくてん」
「敗北はいぼくを悟さとった平氏へいし一門いちもんは次々つぎつぎと海うみへ身みを投なげた」
「そんな中なか、平家へいけ随一ずいいちの猛将もうしょう、平教経たいらののりつねは敵てきの大将たいしょうを
道連みちづれにしようと、義経よしつねの船ふねに飛とび乗のった」
「が、しかし!!」
ひらり飛とび ゆらり飛とび
船ふねから船ふねへ
ひらり飛とび ゆらり飛とび
平家へいけ最期さいごの海うみ
朱殷しゅあんに染そまった 結末けつまつ
「ぎおんしょうじゃのgionsyoujano~かねのこえkanenokoe~」
「諸行無常syogyoumujouのno響hibiきありkiari」
「娑羅双樹sarasoujuのno花hanaのno色iro」
「盛者必衰syoujahissuiのno理kotowariをあらはすwoarahasu」
「おごれるogoreru人hitoもmo久hisaしからずshikarazu」
「ただtada春haruのno夜yoruのno夢yumeのごとしnogotoshi」
二futaつのtsuno力chikara ぶつかればbutsukareba
散chiるru 激hageしきshiki火hiのno花hana
咲saきki乱midaれre 咲saきki狂kuruいi
跡atoにni残nokoるはruha 一面ichimenのno血chiのno海umi
朱殷syuanにni染soまったmatta 結末ketsumatsu
「寿永juei三年sannen二月nigatsu。一ichiのno谷taniにてnite」
断崖dangai絶壁zeppekiをwo背seにni 陣jinをwo敷shiくku平氏heishi
崖gakeのno上ueのno 義経yoshitsune公kouはha言iったtta
「絶壁zeppekiをwo駆kaけke下oりri 奇襲kisyuuをしかけるwoshikakeru」
迷mayoうことなくukotonaku 先陣senjinをwo切kiるru 勇isaましきmashiki背中senaka
「戦ikusaのno申mouしshi子go」
下kudaりきるrikiru前maeにni 勝鬨kachidokiをwo上aげたgeta
そのsono声koeがga咲saきki散chiらすrasu 勝利syouriのno火花hibana
「寿永juei四年yonen二月nigatsu。屋島yashimaにてnite」
時tokiはha夕刻yuukoku戦場senjouはha 休戦kyuusen状態joutai
小舟kobune一隻isseki 平氏heishiからのkarano挑発chouhatsu
「このkono扇ougiのno的matoをwo 射抜inuいてみよitemiyo」
もしもmoshimo外hazuせばseba 源氏genjiのno名折naoれre
義経yoshitsune公kouにni 嗾keshikakeられたrareta
与一yoichiのno覚悟kakugo
与一yoichiのno覚悟kakugo
「なむはちまんnamuhachiman」
見事migoto射抜inuいてite 凱歌gaikaがga上aがるgaru
そのsono歌utaがga咲saきki散chiらすrasu 勝利syouriのno火花hibana
「寿永juei四年yonen三月sangatsu。壇danノno浦uraにてnite」
二futaつのtsuno力chikara ぶつかってbutsukatte
舞maうu 美utsukuしきshiki火hiのno花hana
咲saきki乱midaれre 咲saきki狂kuruいi
「はじめはhajimeha潮流chouryuuにni乗noったtta平氏heishi方kataのno優勢yuusei」
「しかしshikashi、潮shioのno流nagaれとreto共tomoにni形勢keiseiはha逆転gyakuten」
「敗北haibokuをwo悟satoったtta平氏heishi一門ichimonはha次々tsugitsugiとto海umiへhe身miをwo投naげたgeta」
「そんなsonna中naka、平家heike随一zuiichiのno猛将mousyou、平教経tairanonoritsuneはha敵tekiのno大将taisyouをwo
道連michiduれにしようとrenishiyouto、義経yoshitsuneのno船funeにni飛toびbi乗noったtta」
「がga、しかしshikashi!!」
ひらりhirari飛toびbi ゆらりyurari飛toびbi
船funeからkara船funeへhe
ひらりhirari飛toびbi ゆらりyurari飛toびbi
平家heike最期saigoのno海umi
朱殷syuanにni染soまったmatta 結末ketsumatsu