頃合ころあいみては
ここでまた会あおう
乱みだれ飛とぶ交通網こうつうもうを縫ぬって
やがておれたちは 砂浜すなはまの文字もじを
高波たかなみに読よませて言いうだろう
「長ながくかかったよね 覚おぼえてる」
風かぜよ このあたりはまだか
産うみおとされた さびしさについて
何なにも 語かたることなく歩あるき始はじめた
この道みちに吹ふいてくれ
頃合ころあいをみては
ここでまた会あおう
衣摺きぬずれの御堂みどうを駆かけて
やがておれたちは 新聞しんぶんの隅すみで
目めを凝こらす誰だれかに言いうだろう
「今いまにわかるだろう 恋こいしてた」
風かぜよ このたりはまだか
手持てもち無沙汰ぶさたな 心臓しんぞうを連つれて
やがて二人ふたりが出会であい 暮くらすと決きめた
このまちに吹ふいてくれ
とんでもないおとし物もの
おれは遠とおくに置おいてきた
煙けむりに覆おおわれ 海うみに濡ぬれ
冷つめたい頬ほおに口くちつけて
さようなら さようなら
今日きょうの日ひは さようなら
頃合koroaいみてはimiteha
ここでまたkokodemata会aおうou
乱midaれre飛toぶbu交通網koutsuumouをwo縫nuってtte
やがておれたちはyagateoretachiha 砂浜sunahamaのno文字mojiをwo
高波takanamiにni読yoませてmasete言iうだろうudarou
「長nagaくかかったよねkukakattayone 覚oboえてるeteru」
風kazeよyo このあたりはまだかkonoatarihamadaka
産uみおとされたmiotosareta さびしさについてsabishisanitsuite
何naniもmo 語kataることなくrukotonaku歩aruきki始hajiめたmeta
このkono道michiにni吹fuいてくれitekure
頃合koroaいをみてはiwomiteha
ここでまたkokodemata会aおうou
衣摺kinuzuれのreno御堂midouをwo駆kaけてkete
やがておれたちはyagateoretachiha 新聞shinbunのno隅sumiでde
目meをwo凝koらすrasu誰dareかにkani言iうだろうudarou
「今imaにわかるだろうniwakarudarou 恋koiしてたshiteta」
風kazeよyo このたりはまだかkonotarihamadaka
手持temoちchi無沙汰busataなna 心臓shinzouをwo連tsuれてrete
やがてyagate二人futariがga出会deaいi 暮kuらすとrasuto決kiめたmeta
このまちにkonomachini吹fuいてくれitekure
とんでもないおとしtondemonaiotoshi物mono
おれはoreha遠tooくにkuni置oいてきたitekita
煙kemuriにni覆ooわれware 海umiにni濡nuれre
冷tsumeたいtai頬hooにni口kuchiつけてtsukete
さようならsayounara さようならsayounara
今日kyouのno日hiはha さようならsayounara