東京ライオンキング 歌詞 あべりょう ふりがな付

真夜中まよなかのファミレス
「あんたは ママの邪魔じゃまするため生いきてんの?」
据すわった目めで 酔よったママに絡からまれ うつむいたままの さっちゃん
のっぺらぼうに 「くしゃくしゃ」と書かいた顔かおして 黙々もくもくと ひとり遊あそび

100円えんワイン注文ちゅうもんして
「ホントオマエ可愛かわいくないね」と
なんて答こたえても 結局けっきょくママは 怒おこってワタシ 叩たたくから
目めを合あわせず うんともすんとも言いわず ただただ小ちいさな カラダ揺ゆらす

パーンと乾かわいた ビンタの音おとが 店内てんないに響ひびき
凍こおりつく 周まわりの客きゃくの視線しせんが バイトのボクをつつくから
「あの、お客様きゃくさまどうされましたか?」と 声こえをかけたら
「しつけですから大丈夫だいじょうぶ」と言いわれ スゴスゴと引ひき下さがる
ボクを捕つかまえて

「おいバイト」 「何なに見みて見みぬ振ふりしてんだよ」 「何なんとかしろよ」
「ただのバイトですからと言いって」 「逃にげられるなんて思おもうなよ」
「あんたなんか産うまなきゃ良よかった あんたさえいなければ」
さっちゃんは カラダ固かたくして もっともっと 小ちいさくなった

「ほら子供こどもが怯おびえてるだろ」 「オマエあの子こ見捨みすてんのか?」
「そんな時給じきゅうもらってませんじゃねぇ」 「見みたものの責任せきにんだろ」
「黙だまるならここに置おいて ママは二に度どと戻もどって来こないよ」
ボクはさっちゃんを抱だき上あげて 店みせの外そとに 飛とび出だしたんだ

路地ろじ裏うらに潜ひそむ さっちゃんとボク パトカーのサイレン
ビジョンの 誘拐ゆうかいのニュース 横目よこめに JR新宿しんじゅく
すれ違ちがう 無数むすうの疑うたがう眼差まなざしを かいくぐり 歩あるき
彷徨さまよう ボクらが見上みあげた 都庁とちょうから出でてくる 高級こうきゅう車しゃ

駆かけ寄より
「都と知事ちじお伝つたえしたい事ことがある」
「ワタシは 児童じどう虐待ぎゃくたいを目撃もくげきした 通とおりすがりのバイト」
児童じどう福祉法ふくしほう 国民こくみんは 児童じどう虐待ぎゃくたい
受うけたと 思おもわれる 児童じどう見みたら 通告つうこくする義務ぎむが あると定さだめてる

見みて見みぬフリがまかり通とおる 社会しゃかいを通とおりすがる
バイトは 都庁とちょうの屋上おくじょうで さっちゃんを抱だき上あげて
都と知事ちじと共ともに ライオンキングした