不良の音楽 歌詞 町田直隆 ふりがな付

雨あめの音ねを聞きいていたんだ 一晩中ひとばんじゅう雨あめの音おとを
それはとても悲かなしくて どこか優やさしい音おとだった
このまま世界せかいが終おわってしまえばいいなんて思おもった
瞼まぶたを深ふかく閉とじてみる 何なにも変かわらない明日あしたが見みえる

学校がっこうに行いきたくないよ あんなとこに行いきたくないよ
あんな奴等やつら友達ともだちじゃない あんな奴等やつらと同おなじじゃない
どこにも行いくあてがないし どこにもいる場所ばしょがないよ
僕ぼくはひとりぼっちだ 誰だれも本当ほんとうの僕ぼくを知しらない

運命うんめいを変かえる事ことなんてできるはずも無なく
生うまれた時ときからすでに勝敗しょうはいは決きまっていて
仕組しくまれたこのゲームの中なかでもがいてる人ひと達たちを
神様かみさまあんたはどこかで笑わらっているんだろう?

真まっ白しろな暗闇くらやみの中なかを 一閃いっせんの光ひかりが散ちらばり
騒さわがしい沈黙ちんもくを破やぶる 本当ほんとうの声こえが聞きこえる
はみ出だしてゆく事ことでしか 美うつくしくなれない僕ぼくらを
そっと讃たたえるように そっと奮ふるい立たたせるように
不良ふりょうの音楽おんがくが鳴なり響ひびいてる

声こえがでかいだけの奴やつらの 意見いけんばかり尊重そんちょうされて
ずる賢がしこいだけの奴やつらの 権利けんりばかりが保証ほしょうされて
悪事あくじは全すべて見逃みのがされ 結局けっきょく騙だましたもん勝がちで
予約席よやくせきの買かい占しめられた 椅子取いすとりゲームは続つづいてく

正義せいぎとか公平こうへいとか そんなの初はじめからなくて
騙だまされたやつが悪わるいんだと言いいくるめられ
全すべてバカらしくて 夢ゆめなんかもう見みたくないよ
だけど本当ほんとうにそれで悔くやしくないのかい?

真まっ白しろな暗闇くらやみの中なかを 一閃いっせんの光ひかりが散ちらばり
騒さわがしい沈黙ちんもくを破やぶる 本当ほんとうの声こえが聞きこえる
傷きずつけ合あう事ことでしか 救すくわれる事ことない僕ぼくらを
そっと包つつみ込こむように そっと慰なぐさめるように
不良ふりょうの音楽おんがくが鳴なり響ひびいてる

叶かなわないままのあの夢ゆめも 未いまだに来きない「いつか」も
報むくわれないこの努力どりょくも 癒いえる事ことないこの傷きずも
全すべてこの胸むねの中なかで 全すべてこの腕うでの中なかで
抱かかえて堪こたえてゆくしかなくて

雨あめの音ねを聞きいていたんだ 君きみにも聞きこえるだろうか
雨あめよもっと強つよく降ふれよ この世界せかいを飲のみ込こんでしまえ
ヒーローになれないままで 年老としおいてゆくだけの僕ぼくと
ヒロインに選えらばれなかった いつかの心こころ優やさしい君きみのためにも

真まっ白しろな暗闇くらやみの中なかを 一閃いっせんの光ひかりが散ちらばり
騒さわがしい沈黙ちんもくを破やぶる 本当ほんとうの声こえが聞きこえる
争あらそいあう事ことでしか わかり合あえない僕ぼくらの
悲かなしみが音楽おんがくに変かわり 手てを取とり合あい拡ひろがってゆく

ここに生うまれてきた証あかしに ここで生いきてきた証あかしに
せめて愛あいする事ことを 愛あいし合あうというその事ことを
僕ぼくは信しんじたいんだよ 僕ぼくはこの手てで掴つかみたいんだよ
僕ぼくらは殺ころし合あうためじゃない 愛あいし合あうためにここへ来きた

生いきて
愛あいして
それだけを信しんじて
それだけを掴つかまえて