十六夜サデヰステヰツク 歌詞 真壁寂室 ふりがな付

秋あきの夜長よなが汗あせばんでさ
月つきをそつと見上みあげて居いた
素肌すはだを重かさねた二人ふたりは
春はる的てき氣き分ぶんの狭間はざま
私わたし宛あての温ぬくもりを
抱だき締しめては嬉うれしがる
ただもつと欲ほしい物ものが在ある
幼よう氣きで多感たかんなガアル

悩のう在ある私わたしは爪つめを隠かくす
紅葉こうようした此これの感情かんじょうは不健全ふけんぜん
兎とにも角かくにも苦くるしくつてもう
乱みだれ髪がみ梳とかす哀あわれみはいとをかし
然しかし乍ながら本能ほんのうは紅べにひ糸いとと化ばかす
卑劣ひれつ文學ぶんがく的てき夜よるを探さがす

貴方あなたに誨かいゑ手て上あげるわ
私わたしつて本当ほんとうは
サデヰステヰツクな御姫様おひいさま
頗は別嬪べっぴんな私わたしを愛あいして
生憎あいにく興味きょうみ無むひわ
ハヰカラな接吻せっぷんなんてさア

月つきが綺麗きれいですね。なんてさ
其それの口くちに言いわせなゐわ
純じゅん文學ぶんがく的てきな雄雌おすめすの
ラヴに私わたし唆そそのかられなひ
傷跡きずあとを撫なでる度たびに想おもふ
此これじゃ満みたされなひ
如何どうして怯おびえて居いるの
命懸いのちがけで愛あいして

咲さかせたひのよ
愛あいと言いう名なの花束はなたばを
逞たくましい腕うでにじゅうと押おし当あて
燃もゆる若わか煙草たばこ
痺しびれる夜よるも遂ついに
慣なれてしまつて如何いかがしやう
骨ほねの髄ずいの奥おくの貴方あなたを知しろう
断末魔だんまつまを乗のせる律りつの調しらべ
貴方あなたの理想りそう?そんなの知しりません

有ありの侭ままで亦また、今夜こんやも
乱暴らんぼう狼藉ろうぜきな愛撫あいぶを
サデヰステヰツクな御姫様おひいさま
デリケヱトな心こころの臓ぞうでさへ
差さし出だす覚悟かくごで
私わたしに平伏ひれふして頂戴ちょうだい
バンカラな王子おうじ様さま

例れいへばヱロとかグロでも良まことひでせう?
貴方あなたを滅茶苦茶めちゃくちゃにさせて欲ほしひ
好ずきの麻酔ますいはもう切きれたの?
可愛かわいひ私わたしは私わたしじゃ無むひわよ
息いきが詰つまる。時代じだいの所為せい?
如何どうにも出来できなひなら全すべて破壊はかい

壱いち 弐に 参さん 死し

狂きちつちやつた貴方あなたとさゑ
永遠えいえんの愛あいを誓ちかいゐたひ
何故なぜ?涙なみだがぽろぽろり
此この侭ままじゃ私わたしだつて
逝いかれちまふから
刃渡はわたり約やく十五じゅうご感傷かんしょうで
地獄じごく花はながぱつと咲ざきひた

灰はい殻からな御姫様おひいさま
快樂かいらくの檻おりの中なか
サデヰステヰツクな夜明よあけ前まえ
私わたしが居いなきゃ貴方あなた
満みたされなひでせう
今いますぐ迎むかえゑに逝いくわ
襟飾えりかざりで首くびを吊つりつて、さア。