終焉しゅうえんの大地だいちの果はて 残のこされた子こらは
頼たよりなく小ちいさな手てを重かさねて
健すこやかなる時ときも 病やめる時ときも ただ信しんじて……
「共ともに分わけ合あっていこう」
人ひとの智ちを超こえて 思おもい上あがった愚おろかな羊ひつじに
神かみの裁さばきが下くだった
滅ほろびゆく世界せかいを守まもり続つづける「アイの塔とう」には
世界せかいの寿命じゅみょうが灯ともる
若者わかものの村むらに 王国おうこくの使者ししゃがもたらした
予言よげんの報しらせ
針子はりこの少女しょうじょに 誉ほまれ高たかき【次つぎのメシア】へと
神託しんたくが降おりた
塔とうの中なかに守まもられし【祝福しゅくふく】は
9つの メシアだけが賜たまう【栄光えいこう】
君きみと共ともに 僕ぼくらも塔とうへ連つれ立たとう
滅ほろびゆく楽園らくえんの命いのち、繋つなぐため
祝福しゅくふくをこの手てに 心こころ、打うち鳴ならし
栄光えいこうを掴つかみ取とれ 懸命けんめいに……
信しんじ合あう仲間なかまとともに 助たすけ合あえば
恐おそれるものは、なにもない
最初さいしょの祝福しゅくふくを
命いのちが渦巻うずまく【華はなやぐ波なみ】の扉とびらへ 手てを伸のばす
ふと、大おおきな手てを重かさねて 青年せいねんが言いった
「共ともに分わけ合あっていこう」
メシアを押おしのけ 横取よこどられた最初さいしょの祝福しゅくふく
仲間なかまたちは いがみ合あい
2つ目めの扉とびら 赤あかき目めを血走ちばしらせ
剣士けんしは【炎ほのおの宴うたげ】に興きょうじる
【恵めぐみの陽光ようこう】を勝かち取とって
悦えつに入いる姉あねの手てを振ふり払はらい
悔くやしげな顔かおで 妹いもうとは【安息あんそくの闇やみ】へ
息巻いきまいて進すすむ
「選えらばれたのは、私わたしなのに……」
「「独ひとリ占じメハ許ゆるサナイ……」」
「欲よく」は人ひとを変かえてしまうのか?
僧そうは祝詞しゅくじを【揺蕩たゆたう大地だいち】に捧ささげて
詩人うたびとは【雷鳴らいめいの囃子はやし】口遊くちずさぶ
祝福しゅくふくをこの手てに…… 心こころ、研とぎ澄すまし
栄光えいこうを奪うばい取とれ 我先われさきに……
信しんじ合あう仲間なかまは、何処どこへ…… 誰だれもが、敵てき?
断たち切きりなさい 過すぎた愛あいを
【旋風つむじかぜのロンド】に 踊おどり子こが舞まう
双生そうせいの姉あねは 片割かたわれを押おしのけ
【白銀はくぎんの園その】へ
歓喜かんきの雫しずくは 流ながれる間まもなく 凍いてた
9つ目めの祝福しゅくふくは 眠ねむれる【マグマの胎動たいどう】
双生そうせいの弟おとうとは メシアを欺あざむいて
誇ほこらしげに笑わらった
信しんじた仲間なかまに裏切うらぎられ
【祝福しゅくふく】はすべて 横取よこどられた
灯ともらぬトーチ 掲かかげながら
祈いのりの祭壇さいだんへ……
塔とうの中なかに封ふうじられし【祝福しゅくふく】
……という名なのメシアに課かせられた【贖罪しょくざい】
【贄にえ】と共ともに 乗のり越こえたメシアよ
今いまこそ 新あたらしき楽園らくえんの命いのち、繋つなぎ足たせ
荒波あらなみに溺おぼれ沈しずみ 業火ごうかの海うみを舞まい
無慈悲むじひな干天かんてんに頽くずおれて
永遠とわに明あけぬ闇やみに狂くるい 大地だいちに呑のまれても
君独きみひとりで、いかせはしない
裁さばきの雷いかづちに打うたれ 風刃ふうじんに裂さかれて
心こころごと凍こおらされても 灼熱しゃくねつを這はう
健すこやかなる時ときも 病やめる時ときも ただ信しんじて……
「共ともに分わけ合あっていこう」
導みちびきの灯ひを繋つなげ 尊とうとき贄にえの果はて
愚おろかなる連鎖れんさは 永遠とわに繰くり返かえす……
信しんじ合あった仲間なかまたちに 助たすけられて
勝かち取とった灯ひを 高たかく掲かかげて
暁あかつきの鐘かねが鳴なく 栄光えいこうの調しらべ
神かみの威いを授さずけられたメシアは
独ひとり静しずかに笑わらいながら……
9つの【哀あい】を生うみて
祭壇さいだんに手てを伸のばした
終焉syuuenのno大地daichiのno果haてte 残nokoされたsareta子koらはraha
頼tayoりなくrinaku小chiiさなsana手teをwo重kasaねてnete
健sukoやかなるyakanaru時tokiもmo 病yaめるmeru時tokiもmo ただtada信shinじてjite……
「共tomoにni分waけke合aっていこうtteikou」
人hitoのno智chiをwo超koえてete 思omoいi上aがったgatta愚oroかなkana羊hitsujiにni
神kamiのno裁sabaきがkiga下kudaったtta
滅horoびゆくbiyuku世界sekaiをwo守mamoりri続tsuduけるkeru「アイaiのno塔tou」にはniha
世界sekaiのno寿命jumyouがga灯tomoるru
若者wakamonoのno村muraにni 王国oukokuのno使者shisyaがもたらしたgamotarashita
予言yogenのno報shirase
針子harikoのno少女syoujoにni 誉homaれre高takaきki【次tsugiのnoメシアmeshia】へとheto
神託shintakuがga降oりたrita
塔touのno中nakaにni守mamoられしrareshi【祝福syukufuku】はha
9つのtsuno メシアmeshiaだけがdakega賜tamaうu【栄光eikou】
君kimiとto共tomoにni 僕bokuらもramo塔touへhe連tsuれre立taとうtou
滅horoびゆくbiyuku楽園rakuenのno命inochi、繋tsunaぐためgutame
祝福syukufukuをこのwokono手teにni 心kokoro、打uちchi鳴naらしrashi
栄光eikouをwo掴tsukaみmi取toれre 懸命kenmeiにni……
信shinじji合aうu仲間nakamaとともにtotomoni 助tasuけke合aえばeba
恐osoれるものはrerumonoha、なにもないnanimonai
最初saisyoのno祝福syukufukuをwo
命inochiがga渦巻uzumaくku【華hanaやぐyagu波nami】のno扉tobiraへhe 手teをwo伸noばすbasu
ふとfuto、大ooきなkina手teをwo重kasaねてnete 青年seinenがga言iったtta
「共tomoにni分waけke合aっていこうtteikou」
メシアmeshiaをwo押oしのけshinoke 横取yokodoられたrareta最初saisyoのno祝福syukufuku
仲間nakamaたちはtachiha いがみigami合aいi
2つtsu目meのno扉tobira 赤akaきki目meをwo血走chibashiらせrase
剣士kenshiはha【炎honooのno宴utage】にni興kyouじるjiru
【恵meguみのmino陽光youkou】をwo勝kaちchi取toってtte
悦etsuにni入iるru姉aneのno手teをwo振fuりri払haraいi
悔kuyaしげなshigena顔kaoでde 妹imoutoはha【安息ansokuのno闇yami】へhe
息巻ikimaいてite進susuむmu
「選eraばれたのはbaretanoha、私watashiなのにnanoni……」
「「独hitoリri占jiメハmeha許yuruサナイsanai……」」
「欲yoku」はha人hitoをwo変kaえてしまうのかeteshimaunoka?
僧souはha祝詞syukujiをwo【揺蕩tayutaうu大地daichi】にni捧sasaげてgete
詩人utabitoはha【雷鳴raimeiのno囃子hayashi】口遊kuchizusaぶbu
祝福syukufukuをこのwokono手teにni…… 心kokoro、研toぎgi澄suましmashi
栄光eikouをwo奪ubaいi取toれre 我先waresakiにni……
信shinじji合aうu仲間nakamaはha、何処dokoへhe…… 誰dareもがmoga、敵teki?
断taちchi切kiりなさいrinasai 過suぎたgita愛aiをwo
【旋風tsumujikazeのnoロンドrondo】にni 踊odoりri子koがga舞maうu
双生souseiのno姉aneはha 片割katawaれをrewo押oしのけshinoke
【白銀hakuginのno園sono】へhe
歓喜kankiのno雫shizukuはha 流nagaれるreru間maもなくmonaku 凍iてたteta
9つtsu目meのno祝福syukufukuはha 眠nemuれるreru【マグマmagumaのno胎動taidou】
双生souseiのno弟otoutoはha メシアmeshiaをwo欺azamuいてite
誇hokoらしげにrashigeni笑waraったtta
信shinじたjita仲間nakamaにni裏切uragiられrare
【祝福syukufuku】はすべてhasubete 横取yokodoられたrareta
灯tomoらぬranuトtoーチchi 掲kakaげながらgenagara
祈inoりのrino祭壇saidanへhe……
塔touのno中nakaにni封fuuじられしjirareshi【祝福syukufuku】
……というtoiu名naのnoメシアmeshiaにni課kaせられたserareta【贖罪syokuzai】
【贄nie】とto共tomoにni 乗noりri越koえたetaメシアmeshiaよyo
今imaこそkoso 新ataraしきshiki楽園rakuenのno命inochi、繋tsunaぎgi足taせse
荒波aranamiにni溺oboれre沈shizuみmi 業火goukaのno海umiをwo舞maいi
無慈悲mujihiなna干天kantenにni頽kuzuoれてrete
永遠towaにni明aけぬkenu闇yamiにni狂kuruいi 大地daichiにni呑noまれてもmaretemo
君独kimihitoりでride、いかせはしないikasehashinai
裁sabaきのkino雷ikaduchiにni打uたれtare 風刃fuujinにni裂saかれてkarete
心kokoroごとgoto凍kooらされてもrasaretemo 灼熱syakunetsuをwo這haうu
健sukoやかなるyakanaru時tokiもmo 病yaめるmeru時tokiもmo ただtada信shinじてjite……
「共tomoにni分waけke合aっていこうtteikou」
導michibiきのkino灯hiをwo繋tsunaげge 尊toutoきki贄nieのno果haてte
愚oroかなるkanaru連鎖rensaはha 永遠towaにni繰kuりri返kaeすsu……
信shinじji合aったtta仲間nakamaたちにtachini 助tasuけられてkerarete
勝kaちchi取toったtta灯hiをwo 高takaくku掲kakaげてgete
暁akatsukiのno鐘kaneがga鳴naくku 栄光eikouのno調shiraべbe
神kamiのno威iをwo授sazuけられたkeraretaメシアmeshiaはha
独hitoりri静shizuかにkani笑waraいながらinagara……
9つのtsuno【哀ai】をwo生uみてmite
祭壇saidanにni手teをwo伸noばしたbashita