すわり直なおして盃さかずきふせて
俺おれの女房にょうぼに なれと云いう
何なにを云いうのよ
からかわないで
肩かたであまえて 戯おどけても
笑わらい流ながせず 目めが濡ぬれる
袖摺坂そですりざかの
ああ夢ゆめしぐれ
同おなじ故郷こきょうの
生うまれと知しれば
他人行儀たにんぎょうぎも 初はじめだけ
いつも見みた目めは
あいそが悪わるい
そんな人ひとほど 裏うらがない
だから人ひとにも あたたかい
袖摺坂そですりざかの
ああ夢ゆめあかり
酔よったふりして
じゃけんに渡わたす
母ははの形見かたみと いう指輪ゆびわ
「あなたらしいわ…」
思おもわず泣なけて
濡ぬれて小走こばしる 裏通うらどおり
あなたに駆かけ寄より
傘かさをさす
袖摺坂そですりざかの
ああ夢ゆめしぐれ
すわりsuwari直naoしてshite盃sakazukiふせてfusete
俺oreのno女房nyouboにni なれとnareto云iうu
何naniをwo云iうのよunoyo
からかわないでkarakawanaide
肩kataであまえてdeamaete 戯odoけてもketemo
笑waraいi流nagaせずsezu 目meがga濡nuれるreru
袖摺坂sodesurizakaのno
ああaa夢yumeしぐれshigure
同onaじji故郷kokyouのno
生uまれとmareto知shiればreba
他人行儀taningyougiもmo 初hajiめだけmedake
いつもitsumo見miたta目meはha
あいそがaisoga悪waruいi
そんなsonna人hitoほどhodo 裏uraがないganai
だからdakara人hitoにもnimo あたたかいatatakai
袖摺坂sodesurizakaのno
ああaa夢yumeあかりakari
酔yoったふりしてttafurishite
じゃけんにjakenni渡wataすsu
母hahaのno形見katamiとto いうiu指輪yubiwa
「あなたらしいわanatarashiiwa…」
思omoわずwazu泣naけてkete
濡nuれてrete小走kobashiるru 裏通uradooりri
あなたにanatani駆kaけke寄yoりri
傘kasaをさすwosasu
袖摺坂sodesurizakaのno
ああaa夢yumeしぐれshigure