比叡ひえいおろしの
吹ふく夕暮ゆうぐれは
仕方しかたないほど
あゝ淋さびしくて
ヒュルル ヒュルルと
背中せなかで泣ないて
哀かなしい人ひとの
ささやきになる
貧まずしい女おんなやから
あなた待まつしか
よう知しらん
京都きょうと 京都きょうと
あゝゝ去さりがたし
祇園祭ぎおんまつりの
宵山よいやまの夜よる
切せつない鉦かねを
素肌すはだで聞きいた
涙集なみだあつめた時ときの川面かわもを
浴衣ゆかたの帯おびが流ながされてゆく
淋さびしい女おんなやから
憎にくむことなど ようできん
京都きょうと 京都きょうと
あゝゝ去さりがたし
心変こころがわりが
ないでもないと
さんねん坂ざかの
部屋へやで待まちます
ヒュルル ヒュルルと
凍こごえた風かぜが
春はるの遠とおさを
告つげて哀かなしい
貧まずしい女おんなやから
思おもい出でだけで温あたたかい
京都きょうと 京都きょうと
あゝゝ去さりがたし
比叡hieiおろしのoroshino
吹fuくku夕暮yuuguれはreha
仕方shikataないほどnaihodo
あaゝ淋sabiしくてshikute
ヒュルルhyururu ヒュルルhyururuとto
背中senakaでde泣naいてite
哀kanaしいshii人hitoのno
ささやきになるsasayakininaru
貧mazuしいshii女onnaやからyakara
あなたanata待maつしかtsushika
ようyou知shiらんran
京都kyouto 京都kyouto
あaゝゝ去saりがたしrigatashi
祇園祭gionmatsuriのno
宵山yoiyamaのno夜yoru
切setsuないnai鉦kaneをwo
素肌suhadaでde聞kiいたita
涙集namidaatsuめたmeta時tokiのno川面kawamoをwo
浴衣yukataのno帯obiがga流nagaされてゆくsareteyuku
淋sabiしいshii女onnaやからyakara
憎nikuむことなどmukotonado ようできんyoudekin
京都kyouto 京都kyouto
あaゝゝ去saりがたしrigatashi
心変kokorogaわりがwariga
ないでもないとnaidemonaito
さんねんsannen坂zakaのno
部屋heyaでde待maちますchimasu
ヒュルルhyururu ヒュルルhyururuとto
凍kogoえたeta風kazeがga
春haruのno遠tooさをsawo
告tsuげてgete哀kanaしいshii
貧mazuしいshii女onnaやからyakara
思omoいi出deだけでdakede温atataかいkai
京都kyouto 京都kyouto
あaゝゝ去saりがたしrigatashi