昔むかしあるところに 恋人こいびとを亡なくしたひとりの魔法使まほうつかいがいた
彼かれが求もとめたのは 死者ししゃを甦よみがえらせる禁断きんだんの秘法ひほう
領分りょうぶんを侵おかす者ものに降ふりかかるのは 厄災やくさいのみと識しりながら
何故人なにゆえひとは求もとめるのか? 人智じんちを超こえた魔神まじんの力ちからを…
吹ふき荒すさぶ風かぜは砂すなを巻まき上あげて
若わかい旅人たびびとの行ゆく手てを阻はばむ
旅たびの道連みちづれは一頭いっとうの駱駝らくだ
砂丘おかを乗のり越こえて街まちへと向むかう…
「魔法まほうのランプが欲ほしくはないか?」
胡散臭うさんくさい髭ひげの男おとこが囁ささやいた
薄暗うすぐらい路地裏ろじうらでの駆かけ引ひき
彼かれは男おとこが持もち出だした条件じょうけんを飲のんだ…
ランプを擦こすると魔神まじんが現あらわれ 3みっつの願ねがいを叶かなえてくれると言ゆう
願ねがい事ごとを1ひとつ譲ゆずるという条件じょうけんで 彼かれはその在処ありかを聞きき出だした
そのランプは 南西なんせいにある洞窟どうくつに封印ふういんされているという
片足かたあしが悪わるいという男おとこの代かわりに 彼かれは穴あなの中なかへと降おりた…
砂漠さばくの下したには 大おおきな空洞くうどう
冷つめたい空気くうきが 背筋せすじを掠かすめる
洞窟どうくつの奥おくには 妖あやしい祭壇さいだん
黄金おうごんのランプと 古ふるびた絨毯じゅうたん
ランプを手てに取とると 洞窟どうくつが崩くずれた
「ランプを早はやくこっちへよこせ!」男おとこが叫さけんだ…
暗くらい闇やみの中なか 懐なつかしい声こえを聴きく
暖あたたかな光ひかり 愛いとしい声こえを聴きく
「貴方あなたはまだこっちへ来きてはいけないわ
遣やり残のこしたことがきっとあるはず…」
暗くらい闇やみの中なか 懐なつかしい声こえが言ゆう
暖あたたかな光ひかり 愛いとしい声こえが言ゆう
「失うしなわれたモノの為ために願ねがうより
今目いまめの前まえにあるモノを見みつめて…」
目醒めざめれば砂すなが巻まき上あがる 砂丘おかの上うえで抱だかれていた
黒髪くろかみの美うつくしい少女しょうじょ 泣なきながら微笑ほほえんでいた
「古いにしえの罪つみと罰ばつの輪舞曲ロンド ランプに閉とじ込こめられていた
愚おろかな私わたしを出だしてくれた御主人様マスター
さぁ願ねがいをどうぞ 叶かなえましょう」
3みっつの願ねがい全すべて叶かなえたら少女しょうじょは再ふたたび
唯冷ただつめたい砂すなの下したで幾千いくせんの孤独こどくに震ふるえる…
そして彼かれは願ねがった…
吹ふき荒すさぶ風かぜは砂すなを巻まき上あげて
若わかい旅人たびびとの行ゆく手てを阻はばむ
旅たびの道連みちづれは二頭にとうの駱駝らくだ
長ながい黒髪くろかみの少女しょうじょが一人ひとり…
昔mukashiあるところにarutokoroni 恋人koibitoをwo亡naくしたひとりのkushitahitorino魔法使mahoutsukaいがいたigaita
彼kareがga求motoめたのはmetanoha 死者shisyaをwo甦yomigaeらせるraseru禁断kindanのno秘法hihou
領分ryoubunをwo侵okaすsu者monoにni降fuりかかるのはrikakarunoha 厄災yakusaiのみとnomito識shiりながらrinagara
何故人naniyuehitoはha求motoめるのかmerunoka? 人智jinchiをwo超koえたeta魔神majinのno力chikaraをwo…
吹fuきki荒susaぶbu風kazeはha砂sunaをwo巻maきki上aげてgete
若wakaいi旅人tabibitoのno行yuくku手teをwo阻habaむmu
旅tabiのno道連michiduれはreha一頭ittouのno駱駝rakuda
砂丘okaをwo乗noりri越koえてete街machiへとheto向muかうkau…
「魔法mahouのnoランプranpuがga欲hoしくはないかshikuhanaika?」
胡散臭usankusaいi髭higeのno男otokoがga囁sasayaいたita
薄暗usuguraいi路地裏rojiuraでのdeno駆kaけke引hiきki
彼kareはha男otokoがga持moちchi出daしたshita条件joukenをwo飲noんだnda…
ランプranpuをwo擦kosuるとruto魔神majinがga現arawaれre 3mixtuつのtsuno願negaいをiwo叶kanaえてくれるとetekureruto言yuうu
願negaいi事gotoをwo1hitoつtsu譲yuzuるというrutoiu条件joukenでde 彼kareはそのhasono在処arikaをwo聞kiきki出daしたshita
そのsonoランプranpuはha 南西nanseiにあるniaru洞窟doukutsuにni封印fuuinされているというsareteirutoiu
片足kataashiがga悪waruいというitoiu男otokoのno代kaわりにwarini 彼kareはha穴anaのno中nakaへとheto降oりたrita…
砂漠sabakuのno下shitaにはniha 大ooきなkina空洞kuudou
冷tsumeたいtai空気kuukiがga 背筋sesujiをwo掠kasuめるmeru
洞窟doukutsuのno奥okuにはniha 妖ayaしいshii祭壇saidan
黄金ougonのnoランプranpuとto 古furuびたbita絨毯juutan
ランプranpuをwo手teにni取toるとruto 洞窟doukutsuがga崩kuzuれたreta
「ランプranpuをwo早hayaくこっちへよこせkukotchiheyokose!」男otokoがga叫sakeんだnda…
暗kuraいi闇yamiのno中naka 懐natsuかしいkashii声koeをwo聴kiくku
暖atataかなkana光hikari 愛itoしいshii声koeをwo聴kiくku
「貴方anataはまだこっちへhamadakotchihe来kiてはいけないわtehaikenaiwa
遣yaりri残nokoしたことがきっとあるはずshitakotogakittoaruhazu…」
暗kuraいi闇yamiのno中naka 懐natsuかしいkashii声koeがga言yuうu
暖atataかなkana光hikari 愛itoしいshii声koeがga言yuうu
「失ushinaわれたwaretaモノmonoのno為tameにni願negaうよりuyori
今目imameのno前maeにあるniaruモノmonoをwo見miつめてtsumete…」
目醒mezaめればmereba砂sunaがga巻maきki上aがるgaru 砂丘okaのno上ueでde抱daかれていたkareteita
黒髪kurokamiのno美utsukuしいshii少女syoujo 泣naきながらkinagara微笑hohoeんでいたndeita
「古inishieのno罪tsumiとto罰batsuのno輪舞曲rondo ランプranpuにni閉toじji込koめられていたmerareteita
愚oroかなkana私watashiをwo出daしてくれたshitekureta御主人様masutâ
さぁsaa願negaいをどうぞiwodouzo 叶kanaえましょうemasyou」
3mixtuつのtsuno願negaいi全subeてte叶kanaえたらetara少女syoujoはha再futataびbi
唯冷tadatsumeたいtai砂sunaのno下shitaでde幾千ikusenのno孤独kodokuにni震furuえるeru…
そしてsoshite彼kareはha願negaったtta…
吹fuきki荒susaぶbu風kazeはha砂sunaをwo巻maきki上aげてgete
若wakaいi旅人tabibitoのno行yuくku手teをwo阻habaむmu
旅tabiのno道連michiduれはreha二頭nitouのno駱駝rakuda
長nagaいi黒髪kurokamiのno少女syoujoがga一人hitori…