彼かれは手てのひらを前まえに差さし出だして
溢あふれ出でる透明とうめいを少すこし汲くみ取とって 喉のどを潤うるおして
深ふかく ひとつ息いきをする
それは東ひがしアジアの朝方あさがたの風景ふうけい
捨すてられた黒猫くろねこの様ような彼かれだって 喉のどを震ふるわせて
自分以外じぶんいがいを呼よんだんだ
嗚呼ああ 傷きづついた兵士へいしも
物乞ものごいの坊ぼうやの暮くらす路地ろじも そう
届とどかなくても 交まじわらなくても
空そらがいつもと同おなじ青あおさをたたえていたって
誰だれの身体からだもいつかなくなって永遠えいえんはないのだろう
それだって 君きみの魂たましいとどこか繋つながっていたいと僕ぼくは思おもう
何なにもなくて 不安ふあんで
胸むねの奥おくを掻かきむしるような日々ひびも 彼かれは生いきて
目めを開ひらいて振ふり絞しぼるように生いきて
それは僕ぼくだ
それはきっともうひとりの僕ぼくだ
或あるいは君自身きみじしんだ
嗚呼ああ 些細ささいな嘘うそも 繊細せんさいな君きみが泣なき暮くれても
届とどかなくても 交まじわらなくても
空そらがいつもと同おなじ青あおさをたたえていたって
誰だれの身体からだもいつかなくなって永遠えいえんはないのだろう
それだって君きみの魂たましいとどこか繋つながっていたいと僕ぼくは思おもうよ
そう願ねがうよ
いるの?
あるの?
想おもい描えがいているよ
彼kareはha手teのひらをnohirawo前maeにni差saしshi出daしてshite
溢afuれre出deるru透明toumeiをwo少sukoしshi汲kuみmi取toってtte 喉nodoをwo潤uruoしてshite
深fukaくku ひとつhitotsu息ikiをするwosuru
それはsoreha東higashiアジアajiaのno朝方asagataのno風景fuukei
捨suてられたterareta黒猫kuronekoのno様youなna彼kareだってdatte 喉nodoをwo震furuわせてwasete
自分以外jibunigaiをwo呼yoんだんだndanda
嗚呼aa 傷kiduついたtsuita兵士heishiもmo
物乞monogoいのino坊bouやのyano暮kuらすrasu路地rojiもmo そうsou
届todoかなくてもkanakutemo 交majiわらなくてもwaranakutemo
空soraがいつもとgaitsumoto同onaじji青aoさをたたえていたってsawotataeteitatte
誰dareのno身体karadaもいつかなくなってmoitsukanakunatte永遠eienはないのだろうhanainodarou
それだってsoredatte 君kimiのno魂tamashiiとどこかtodokoka繋tsunaがっていたいとgatteitaito僕bokuはha思omoうu
何naniもなくてmonakute 不安fuanでde
胸muneのno奥okuをwo掻kaきむしるようなkimushiruyouna日々hibiもmo 彼kareはha生iきてkite
目meをwo開hiraいてite振fuりri絞shiboるようにruyouni生iきてkite
それはsoreha僕bokuだda
それはきっともうひとりのsorehakittomouhitorino僕bokuだda
或aruいはiha君自身kimijishinだda
嗚呼aa 些細sasaiなna嘘usoもmo 繊細sensaiなna君kimiがga泣naきki暮kuれてもretemo
届todoかなくてもkanakutemo 交majiわらなくてもwaranakutemo
空soraがいつもとgaitsumoto同onaじji青aoさをたたえていたってsawotataeteitatte
誰dareのno身体karadaもいつかなくなってmoitsukanakunatte永遠eienはないのだろうhanainodarou
それだってsoredatte君kimiのno魂tamashiiとどこかtodokoka繋tsunaがっていたいとgatteitaito僕bokuはha思omoうよuyo
そうsou願negaうよuyo
いるのiruno?
あるのaruno?
想omoいi描egaいているよiteiruyo