沈黙 歌詞 野口五郎 ふりがな付

はじめから あなたは愛あいを
戯たわむれとわりきっていた
香水こうすいのかおり残のこして
ぼくの手てを すり抜ぬけていたね
街まちでタクシーつかまえる頃ころ
あなたの瞳ひとみは手紙てがみに揺ゆれる
どんな気きがする どんな気きがする
ひとり淋さびしい置おいてきぼりは
サイレント映画えいがのようにひそやかに
ああ恋人こいびとよ 静しずかに泣なけよ

水色みずいろの雨降あめふる街まちは
傷きずついた人ひとでいっぱい
心こころへと吹ふき込こむ雨あめは
この傘かさじゃ隠かくせないだろう
風かぜのホームで列車れっしゃを待まつ頃ころ
あなたはぐるぐる部屋へやを廻まわるね
どんな気きがする どんな気きがする
恋人こいびとを待まってる夜よるの長ながさは
サイレント映画えいがのように声こえも無なく
ああ哀かなしみを 静しずかに抱だけよ

海辺うみべのバスに乗のり換かえる頃ころ
あなたは悔くやんでベッドで泣なくね
何なにも言いわない 何なにも聞きかない
男おとこは静しずかに旅立たびだつものさ
サイレント映画えいがのように音おとも無なく
二人ふたりの愛あいの幕まくが降ふりたよ