ダイヤモンド 歌詞 カンザキイオリ ふりがな付

「音楽おんがくで金かねを稼かせいでいる俺おれたちは終おわりだ」
そう言いって君きみは心臓しんぞうをダイヤモンドに変かえた
高たかそうなソファの上うえで変かわり果はてた君きみの
心臓しんぞうを手てに取とって僕ぼくは溜ため息いきをついた

最近さいきん流行りゅうこうの選択せんたく
～心臓しんぞう一ひとつで眠ねむってみませんか～
～体からだは未来みらいのため再さい利用りよう～
～意識いしきは全すべて夢ゆめの中なか～

富裕層ふゆうそうをターゲット
大だい企業きぎょうの一世一代いっせいちだいの計画けいかく
君きみは書かき置おき一ひとつ認したためて部屋へやで一人ひとり眠ねむってた

「縋すがり頼たよるものがあってよかった」
「もうこれしか俺おれにはないんだよ」
「これしかないんだ」
「音楽おんがくで金かねを稼かせいでいる俺おれたちは終おわりだ」
「魂たましいも痛いたみも全部ぜんぶ売うり払はらってしまった」
「俺おれはこわい」
「俺おれはもう人間にんげんじゃないみたいだ」
「心臓しんぞうが化ばける前まえにもう眠ねむりたいんだ」

君きみとこの先さきずっと音楽おんがくをやれること
僕ぼくはそれを信しんじて願ねがってきたんだ
なのにお金かねを稼かせぐことに怯おびえちゃって
溺おぼれちゃって大切たいせつなことを忘わすれちゃって
お金かねなんていらないなら溝川どぶがわに捨すてりゃいい
お金かねなんていらないなら海うみにでも流ながせばいい
ハリボテの輝かがやきにただの紙切かみきれなどに
僕ぼくらの心こころが汚よごされなどはしない
そうわかっていたのに
君きみは今いまじゃダイヤモンドだ

苦くるしい つらい やりたくない 吐はき気けがする
君きみのいない世界せかいで作つくる音楽おんがくは
なんともドロドロ醜みにくく彩いろどってる
それを美うつくしいなんていう輩やからはみんな馬鹿ばかだ
だけど今いまとなっちゃ音楽おんがくこそが
一番いちばん稼かせげる仕事しごと
簡単かんたんに手放てばなせない
今いまの僕ぼくは安定あんていした生活せいかつを求もとめてる
ただのどこにでもいる普通ふつうの大人おとなだ

「音楽おんがくで金かねを稼かせいでいる俺おれたちは終おわりだ」
「魂たましいも痛いたみも全部ぜんぶ売うり払はらってしまった」
「俺おれはこわい」
「俺おれはもう人間にんげんじゃないみたいだ」
「心臓しんぞうが化ばける前まえにもう眠ねむりたいんだ」

君きみの言葉ことばが今いまも頭あたまに響ひびく
僕ぼくは君きみにたった一ひとつ言いえなかったことがあるんだ
僕ぼくは君きみと楽たのしくいれるだけでよかった
音楽おんがくを通つうじて友達ともだちが欲ほしかった
それがまさに君きみで
君きみが眠ねむる日々ひびの中なかで今いまじゃ抜ぬけ殻がらのように音楽おんがくをしている
今いまじゃこれがないと僕ぼくは飯めしも食くえない
服ふくも着きられない
家いえにも住すめない
だから僕ぼくは嫌きらいだ
心臓しんぞう一ひとつになってしまった君きみが
音楽おんがくが嫌きらいだ
金かねのために生うみ出だす仮初かりそめの音楽おんがくが僕ぼくだって嫌きらいだ
何なにもかも嫌きらいだ

「音楽おんがくで金かねを稼かせいでいる俺おれたちは終おわりだ」
「魂たましいも痛いたみも全部ぜんぶ売うり払はらってしまった」
「俺おれはこわい」
「俺おれはもう人間にんげんじゃないみたいだ」
「心臓しんぞうが化ばける前まえにもう眠ねむりたいんだ」

何なにを言いってるんだ
僕ぼくを残のこして勝手かってに逃にげたお前まえに何なにがわかるっていうんだ
卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの
卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの 卑怯者ひきょうもの

僕ぼくは負まけない
負まけてたまるか

そんな言葉ことばを投なげかけたのだが結局けっきょく何一なにひとつ答こたえてはくれなかった
数日すうじつ後ごダイヤモンドの輝かがやきは衰おとろえやがて君きみの心臓しんぞうは完全かんぜんに止とまった
だけど僕ぼくは音楽おんがくを作つくることはやめない