モスクワを擁して 歌詞 初音ミク ふりがな付

娯楽ごらくの音ねに揺ゆれる二等車にとうしゃを照てらす
窓まどの光ひかりは色褪いろあせたフィルムのようで
映うつり込こんだ影かげは杯さかずきを交かわし

狂くるい出だした車両しゃりょうの調ちょうに体からだを預あずける

「悪わるい値段ねだんじゃあないだろ」と鼻はなで笑わらい
手垢てあかまみれの小銭稼こぜにかせぎに走はしり回まわる
それでも愛あいすべき累犯者共るいはんしゃどもはとうの昔むかしに
擦すり切きれたレコードを手放てばなしはしないだろう

Бедность не порок. 見知みしらぬ群集ぐんしゅうを掻かき分わけて
Правда глаза колет. 資本主義しほんしゅぎの時差じさを追おい越こして行いけ
Бедность не порок. リールを失なくした映写機えいしゃきは
Правда глаза колет. お前まえを捉とらえて放はなしはしない

初版しょはんのトルストイが空そらに星屑ほしくずを吊つり上あげた

白樺しらかばの鼓動こどうは氷雪ひょうせつに血ちと水脈すいみゃくを張はり巡めぐらせて行いく
一瞬いっしゅんの奇蹟きせきなど信しんじて落おとし子ごに大枚たいまいはたいて
もう行いっちまった成金共なりきんどもはあの白夜びゃくやの向むこう側がわだ

荒あれた呼吸こきゅうで肺はいに砂すなを積つもらせる前まえに
「我々われわれは娯楽ごらくを賛美さんびする!」と名誉めいよの咆哮ほうこうよ響ひびけ

芸術げいじゅつの音ねに揺ゆれる一等車いっとうしゃに香かおる
今いまは遠とおきリラの花はなが眼めに焼やき付つく
魚さかなの臭においも繋駕けいがの熱狂ねっきょうも呑のんだくれの口喧嘩くちげんかも
ここまではもう届とどかないのだろう

Москва слезам не верит. 遠とおざかるオーロラも背せにしては
Все под богом ходим. 遥はるかに霞かすむか水みずの都みやこよ
Москва слезам не верит. 途切とぎれ途切とぎれの舟歌ふなうたも
Все под богом ходим. 凍いてつくヴォルガは見放みはなしはしない

初犯しょはんのスチリャーギが空そらにその首くびを吊つり下さげた

白樺しらかばの鼓動こどうはがたつく車輪しゃりんの喚声かんせいで掻かき消けされたまま
怨念おんねんと埃ほこりは立たち籠こめて生温なまぬるく頭あたまを掻かき乱みだす
野暮やぼな懐古主義者かいこしゅぎしゃは幻日げんじつに囚とらわれているんだ

荒あれた寝床ねどこで肺はいに口付くちづけを飲のみ込こむ前まえに
「我々われわれは芸術げいじゅつを賛美さんびする!」と手向たむけの咆哮ほうこうよ響ひびけ

車掌しゃしょうさんはこっそり Люли, люли, ライライライ
お部屋へやにお邪魔じゃまして Люли, люли, ライライライ
窓辺まどべに斧おのが光ひかるよ Люли, люли, ライライライ
車掌しゃしょうさんはお腹なかいっぱい Люли, люли, ライライライ

無口むくちな音ねが根ねを張はり蒸気じょうきは朝あさに煙けむる
「同志どうし、刮目かつもくせよ!」と夜よを渡わたる
明日あすの幸福こうふくの成なれの果はて

白樺しらかばの鼓動こどうは氷雪ひょうせつに血ちと水脈すいみゃくを張はり巡めぐらせて行いく
深雪みゆきの底そこに春はるを信しんじて灯ともす燐寸まっちが荷にを照てらしては
喉のどを焼やくウォッカの熱ねつは今いま 雪解ゆきどけを挑発ちょうはつする

お伽とぎの終着駅しゅうちゃくえきウラジオストクの海原うなばら
「我々われわれの声こえは届とどいたか!」と弔とむらいの咆哮ほうこうよ響ひびけ