過つ業火に包まれて 歌詞 TaKU.K feat. 初音ミク ふりがな付

八十八はちじゅうはっ回かい目めの世界せかいは既すでに見慣みなれ、正せいの字じを書かいた
軽忽けいこつな三さん人にんを戯たわむれに刺さして、潰つぶして、首くびを絞しめた

通とおりの喧けん燥そうに目めをやれば、白銀しろがねが世界せかいを閉とじ込こめた
その身みを守まもるためならば、全すべてを捧ささげてやる

塵芥ちりあくたの命いのちを投なげつけど、届とどかぬ黒くろを退しりぞけた剣つるぎ
妬ねたみ、荒すさみ、そして憧あこがれて 震ふるえ、涙なみだが流ながれた

歪ひずんで、過あやまちを重かさねても、光ひかりは遠とおざかっていく
それならば、この身みを黒くろで染そめ上あげよう
ほら、そうすれば、葬そう積つめば、光ひかりが際立きわだつだろう?
濁にごらずの黒こく瞳とうはもう、揺ゆるがない

平伏ひれふしていく、朽くちていく、恐おそれが毀こぼれていく
過あやまちが何なにかすらも忘わすれていく
黒くろ装束しょうぞくに身みを包つつむ 夢ゆめは恍ぼやけて消きえ、
その後あとの地ちには草木くさきも生はえやしないだろう

重かさねた死しで下くだしたるは怠惰たいだ 欠かけた青あお、瓦解がかいしたみたいだ
利用りよう価値かちがあるものは全すべて、使つかって、刈かって、縋すがった手てを剥はいだ

花はなを烙やいて、強欲ごうよくを焚たいた 堕おちた青あおで最さい優ゆうを欠かいた
理由りゆう無なき破棄はきと廃棄はいきで心こころが腐くさろうとも

生いき甲斐がいを無なくした眼め、屍しかばねの眼め 罪つみ、重かさねていくのは君きみのため
縋すがる呪縛じゅばく、運命さだめにしがみ付つく 君きみを眼めに焼やき付つけるため

釦ぼたんを掛かけ違ちがえ、履はき違ちがえ、此処ここまで這はって来きたんだ、と
御お仲間なかまと書かいて奴隷どれいの群むれを携たずさえて、
此この冒涜ぼうとくの牢獄ろうごくを幾度いくども巡めぐるんだ、と
孤独こどくなる観測者かんそくしゃは吐はくように呻うめく

寂さびれていく、草臥くたびれていく、驕おごりが誇ほこりを絶たつ
徒花あだばなの腐くさった薫かおりが立たち込こめていく
此処ここでは無ない異ことなる世界せかい線せんへ行いけたのなら
憧あこがれ、焦こがれた英傑えいけつになれたのか

燦燦さんさんと燃もえる 朦朧もうろう、途絶とだえ、起点きてんはもう変かわることはない
煌々こうこうと傲ごう傲ごうの頂上ちょうじょうで祝福しゅくふくを賜たまう 屍かばね、束たばねて剣つるぎを堕おとす
全すべてを差さし出だして、君きみの元もとへ

世界せかいを焼やき焦こがし、国くに揺ゆらし、英傑えいけつを殺あやめて、
果はてには君きみの手てで討うたれる男おとこだ
その傲慢ごうまんで、厚顔こうがんな様さまに呆あきれられたかな
結末けつまつに遺のこした言葉ことば

愛あいしてる

『死し』が近ちかづいて、しがみ付ついて、暗くらい世界せかいが抱だきしめる
過あやまちを捧ささげて、愛あいに包つつまれて、
呼よびかけに応こたえるように、消きえた喉のど、震ふるわす

君きみが拒こばんでも、君きみを忘わすれはしない