長編歌謡浪曲「沖田総司」 歌詞 辰巳ゆうと ふりがな付

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よみ:ちょうへんかようろうきょく「おきたそうじ」

長編歌謡浪曲「沖田総司」 歌詞

辰巳ゆうと

2022.1.5 リリース
作詞
三波美夕紀
作曲
三波美夕紀
編曲
隼トシヒデ
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けんけんきると めたなら
あつおもいを たぎらせて
ゆくぞあらし只中ただなか
まことみちを まっしぐら
そう闘志とうしがる

とき幕末ばくまつきょうみやこでは、尊王攘夷そんのうじょうい倒幕とうばく目指めざ人々ひとびとうごきが活発かっぱつとなり、
徳川とくがわ幕府ばくふは、それをおさえるためにあたらしいちから必要ひつようとした。
そして文久ぶんきゅうさんねん、「新選組しんせんぐみ」が誕生たんじょう局長きょくちょう近藤こんどういさみ芹沢せりざわ新見にいみ
副長ふくちょう土方ひじかた歳三としぞう山南やまなみ。「まこと一字いちじ旗印はたじるしのもと、結束けっそくかたきこの集団しゅうだん
なかで、いちばんけん使つかこそ、沖田総司おきたそうじそのひとであった。

名乗なのろうか。わたしは、新選組しんせんぐみ副長ふくちょうじょきん沖田総司おきたそうじだ」

とし二十歳はたち目元めもとすずしく、姿すがた凛々りりしくうつくしく。
江戸えどまれてここのつで、近藤こんどういえ道場どうじょう試衛館しえいかん入門にゅうもんし、じゅうねんうち免許めんきょ
皆伝かいでん師範しはんだいみなかれた人柄ひとがらは、まことにあかるくほがらかで。壬生みぶ屯所とんしょ
近所きんじょ子供こどもたちとはおにごっこ。

「では、今度こんどわたしおにだ。さぁ、じゅうかぞえるうちにげるんだぞ。よいか」

やさしいこころぬしなり。

新選組しんせんぐみ誕生たんじょう翌年よくねんおおきな事件じけんきる。池田屋いけだや事件じけんである。
あるとき、新選組しんせんぐみは、尊王攘夷そんのうじょういたくらみをる。かれらは、きょうまちはなち、
御所ごしょり、天皇てんのう長州ちょうしゅうるという。
また、近々ちかぢかかれらが宿屋やどや池田屋いけだやあつまることをる。総司そうじいきどおった。

まちじゅうにをつけられたら、おおくのひといえ身内みうちうしなうことになる。ゆるせぬ。絶対ぜったい阻止そししなければ!」

くて、新選組しんせんぐみ池田屋いけだやへ。そのよるろくがつ五日いつか祇園ぎおんまつり宵山よいやまで。
れかかり、ほこやまがともり、祇園ぎおん囃子ばやしひびく。
新選組しんせんぐみのそのち、鎖帷子くさりかたびら胴衣どうい鉢金はちがね
浅葱あさぎ羽織はおり山道やまみちダンダラしろ木綿もめん袖印そでじるし沖田総司おきたそうじ筋金入すじがねいりの鉢巻はちまきめて、役者やくしゃのような姿すがたなり。
目指めざ池田屋いけだや近藤こんどういさみは、総司そうじ永倉ながくら藤堂とうどうと、試衛館しえいかん仕込じこみのさんめい
れ、まっすぐかい目指めざしたり。てき二十数にじゅうすうめい抜刀ばっとうす。沖田総司おきたそうじえるかたな
うなりをげて最初さいしょ一人ひとり一刀両断いっとうりょうだん。それが口火くちびで、だい激闘げきとう

新選組しんせんぐみ勝利しょうりした。
と、そのとき総司そうじからだ異変いへんきた。
そう喀血かっけつをした。

しかるに、この池田屋いけだや事件じけんをきっかけとして、新選組しんせんぐみとどろき、
幕府ばくふおおいにみとめた。新選組しんせんぐみ一層いっそう活躍かつやくつづけた。

総司そうじからだ具合ぐあいはどうだ。せきがまだつづいているんだろう」
土方ひじかたさん、いやだなぁ、せきなんかしてませんよ。大丈夫だいじょうぶです」
「ま、とにかく医者いしゃけ。なんなら、おれいてってやる」
「あ、いえいえ、医者いしゃくのはすすみませんが、
ちゃんと一人ひとりけますから」

医者いしゃにかかって見立みたてられたは、労咳ろうがいで、いのちはあとねん
われてそう観念かんねんして、医者いしゃもとへとかよううち、おりしも出会であった医者いしゃむすめ
に、こいをした。けれど、なんでえようこのおもい。

きだとけたところでどうなる。わたしいのちながくない。
わたしは・・・、わたしは、ひとこいしてはいけないのだ」

生涯しょうがいたった一度いちどだけ、むねにともしたこいを、総司そうじみずかした。

そして、時代じだいはげしくうつわってゆく。

そうからだ次第しだい次第しだいわるくなり、けん時代じだいわりゆく。
きくさかえてあおいれる。歴史れきしながれはめられず。
慶応けいおうさんねん将軍しょうぐん徳川とくがわ慶喜よしのぶ朝廷ちょうてい大政たいせい奉還ほうかんし、王政おうせい復古ふっこだい号令ごうれい
それからほどなく、近藤こんどういさみ鉄砲てっぽうにより狙撃そげきされてきずい。
くる慶応けいおうねん新選組しんせんぐみは「伏見ふしみたたかい」でしん政府せいふぐんやぶれたり。
この合戦かっせんともたたかえなかったことを、総司そうじふかかなしんだ。
やがてそうは、てきつかるのをけるため、江戸えど千駄ヶ谷せんだがや植木うえき平五へいご
ろういえはなれにうつむ。
そこは、総司そうじつい棲家すみかとなる。

新選組しんせんぐみは、そのたたかいでもやぶれ、近藤こんどういさみ捕縛ほばくされ、処刑しょけいされた。
そのことをそうらず、そのふたつきのち、総司そうじだれにも看取みとられず、
ひとり、死出しで旅路たびじのその間際まぎわまぼろしていた。

「あ、近藤こんどう先生せんせい土方ひじかたさん、てくださったんですか。
そうは、きょうまで、ちからかぎきました…」

慶応けいおうねんがつ三十さんじゅうにち
沖田総司おきたそうじは、このった。
かたわらには、あいとうきく一文字いちもんじ則宗のりむねがあった。
つよき、はかなったそのいのち
享年きょうねん二十五にじゅうごさいであった。

めぐめぐわせた運命うんめい
ただまっすぐにいた
そうこころくもりなし
まことくした その姿すがた
かたごうぞ いつまでも

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曲名:長編歌謡浪曲「沖田総司」 歌手:辰巳ゆうと