MERMAID 歌詞 じん ふりがな付

水面みなもに 浮うかぶ月つき
ただただ 揺ゆれながら 見上みあげていた

漂ただよう 思おもい出で
はらはら 泡あわみたいに 踊おどった

その日ひ それは 映画えいがのように
燃もえた 座席ざせき 軋きしむ音おと

「何なにもいらない」
繋つないだ手てには 二ふたつで一ひとつのリングだけ

フワフワ 浮うかんだまま
身体からだは 凍こごえそうで

「きっと夢ゆめよ」って 言いい続つづける
伸のばした手てが 水みずを吸すっていく

ただ目めを 瞑つむったまま
さようならも 言いえなくて

滲にじんだ一ひとつの 愛あいは
泡あわになって 消きえて

降ふるように 海うみの底そこ 沈しずんだ
心こころに 写うつりこむ 写真しゃしんのように

記憶きおくに 触ふれる指ゆび
ただただ 温あたたかさを 伝つたえた

巡めぐり始はじめる
あの日ひ見みていた 二人ふたりだけの丘おか
古時計ふるどけいの音おと カモミールの味あじ

約束やくそくに身みを委ゆだね 交かわしたリングが
私わたしの名前なまえを呼よぶ声こえが

思おもい出だせないな

フワフワ 浮うかんだまま
涙なみだが 溢あふれ出だして

「これは夢ゆめよ、悪わるい夢ゆめよ」
伸のばした手てが 崩くずれ落おちていく

ただただ 望のぞんだのは
あなたと 共ともにいたくて

結むすんだ あの日ひの 恋こいが
永遠えいえんになって いいのなら

あなたを 想おもったまま
あなたと 水みずになって

浮うかんだ一ひとつの 愛あいは
言いいたかった 言葉ことば

「本望ほんもう」