猫です 歌詞 橋爪もも ふりがな付

拝啓はいけい
猫ねこです 実じつは僕ぼく前世ぜんせが人間にんげんだったら
しく 少すこし覚おぼえている
猫ねこです 今日きょう水みずをかけられました
特とくに悪わるいこともしてないのに
猫ねこです 今日きょう知しり合あいが轢ひかれて死し
にました 振ふり返かえりもしないトラッ
ク
猫ねこです 今日きょうしっぽを切きられました
遊あそび半分はんぶんの小学生しょうがくせい

人ひとも猫ねこもそんなに変かわりはしないな
人間にんげんだった頃ころもそう
自由じゆうではあるけれど ずっと一人ひとりき
りで寂さみしいんだな

猫ねこです
お昼寝ひるねをしていたら やけに優やさしく
毛けを撫なでられて
思おもわず逃にげてしまったけど ひどく
懐なつかしい気きがしたな
彼女かのじょは洗濯せんたく以外いがい外そとに出でなくて 大体だいたい
あの窓辺まどべで本ほんを読よむ
そばに行いくとニコリと笑わらうので ま
た撫なでてほしくて通かよっている

猫ねこです
温あたたかい日々ひびが続つづき さらに春はるも訪おとずれ
ちゃったりして
今いまではすっかり住すみ着ついて 彼女かのじょの
編あみ物ものを眺ながめている

僕ぼくの鍵かぎしっぽを撫なでつけ褒ほめながら
開あけ放はなつ窓辺まどべで抱だっこされ
うとうとしていたら思おもい出だしたんだ
まるで母かあさんみたい

今いままでどうして忘わすれていたのか
溢あふれる思おもい出でと言葉ことばが
少すこし遠出とおでをして急いそいで彼女かのじょへ感謝かんしゃの
花はなを摘つむ

猫ねこです
彼女かのじょの好すきな赤あかを咥くわえて 戻もどると知し
らない人ひとがたくさんで
眠ねむる彼女かのじょを見みていたら もう何なんとな
く撫なでてくれない気きがした

その時ときは何なにも感かんじなかったけれど
次つぎの日ひの夜よる家いえを離はなれ 一人ひとりきりでご
飯はんを食たべていたら
やっと 涙なみだがでたよ

とてもとても悲かなしいけれど
これは良よくないことじゃない
この気持きもちも 僕ぼくは大事だいじにします
好すきも嫌きらいも言いえなくなって
持もて余あましてる感情かんじょうは いつも涙なみだに姿すがた
を変かえて流ながれてゆく

猫ねこです 最近さいきん体からだが痛いたくて 涼すずしい所ところ
に身みを隠かくしている
猫ねこです いつさよならしても良いいよ
うに
そばにいる誰だれかを愛あいしてね