マーメイドシアター 歌詞 Royal Scandal ふりがな付

月つきが溺おぼれるような夜よるに、
私わたしは恋こいを知しりました。
だけど、貴方あなたの瞳ひとみの隅すみにさえ、
映うつれないのでしょうか。
……名なも知しらぬ王子おうじさま。

まるで、
空そらを飛とんだ海月くらげ。
陸りくを奏かなでる海星ひとで。
夜よるに濡ぬれる横顔よこがおが、
私わたしの心こころを奪うばいました。

勇敢ゆうかんで、麗うるわしくて、だけど優やさしい。
そんな貴方あなたが好すきよ。
例たとえ荒潮あらしに没しずんだって、
すぐ迎むかえに行いくから。

漂ただよう海うみの泡沫あわでもいい。
「貴方あなたの世界せかいの一部いちぶ」でいさせて。
そして貴方あなたが目めを覚さまさぬうちに、
真珠しんじゅのようなキスをして。

……でも現実げんじつは、
貴方あなたを見みるだけで、なぜか声こえを失うしなうの。

こんな航海こうかいするくらいなら、
声こえをかければよかった。
「仮面かめんの裏うら」なんて恐おそれず、
勇気ゆうきをだそう、今度こんどこそは。

貝殻かいがらをアクセにして、
大おおきな海布めをドレスにして纏まとう。
きれいになって、会あいに行いくんだ。
午前ごぜん0時じは、貴方あなたと……。

貴方あなたが落おとす細波なみですら、
私わたしの世界せかいじゃ全部ぜんぶたからもの。
だけど貴方あなたも目めを奪うばわれたみたい。
珊瑚さんごのような美うつくしさに。

瞼めの裏うらの横顔よこがおにのぼせて、
なにバカな恋こいを夢ゆめみちゃったんでしょう。
冷つめたい海うみで泡沫あわになって、
もう消きえ去さってしまいたい。

貴方あなたの海うみを人知ひとしれず揺蕩たゆたう、
私わたしはまるで人魚マーメイド。
瞳ひとみに映うつる。もう横顔よこがおじゃない。
あぁ。私わたしだけの、王子おうじさま。

いつの間まにか女おんなの子こが忘わすれてく、
おとぎ話ばなしは有あり得えるみたい。
強つよく、可愛かわいく、少すこし強欲わがままに。
今いまこの瞬間しゅんかんは、お姫ひめさま。

例たとえこれで、恋こいやぶれてもいいの。
さぁ、声こえを出だして――　　。