天人菊 歌詞 グレープ ふりがな付

母ははの好すきだった歌うたが
ふとラジオからこぼれている
記憶きおくの湖うみの畔ほとりで
母ははが小声こごえで歌うたってる
何故なぜこんなに切せつない歌うたを
彼女かのじょは愛あいしたんだろう
世よの中なかは一所懸命いっしょけんめいに
生いきようとすればするほどに
辻褄つじつまの合あわないように出来できている
でももしも寄より添そえるならば
悲かなしみより希望きぼうのほうが
ずっと良いいと思おもう

母ははが歌うたってる
「それでも未来みらいは私わたしのもの」

母ははの気きに入いりの花はなが
夏なつの終おわりに咲さきそろった
天人菊ガイラルディアの小ちいさな花はな
何故なぜこんなにも目立めだたなくて
愛あいらしい花はなが好すきだったか
解わかる歳としになったよ
世よの中なかは不条理ふじょうりで出来できてる
そんなことはとうに解わかってる
笑わらってしまえば良いいことも
白しろか黒くろかと聞きいてくる
この国くにはどちらでもない色いろが
たくさんあるというのに

母ははが歌うたってる
「それでも未来みらいは私わたしのもの」