先立さきだつ幸しあわせをお許ゆるしください
我わが儘ままに遺のこす声こえを聞きいてください
桜さくらの花はなも失うせた六ろく月がつの菖蒲あやめ
そこにはもう私わたしは居いないでしょう
先立さきだつ幸しあわせをお許ゆるしください
若わかさ故ゆえの恋こいの匙さじ 掬すくってください
泣ないてる友達ともだちを慰なぐさめる言葉ことば
それすらもう声こえには出だせないでしょう
先立さきだつ幸しあわせをお許ゆるしください
逃にげ続つづけたことをただ叱しかってください
この世よに生うまれ落おちて救すくわれることは
救すくわれたと伝つたえることなのでしょう
遠とおい街まちに行ゆきます
先さきに降おります
離はなれていく光ひかりに手てを振ふって背せを向むけます
今日きょう 午後ごごの旅路たびじに傘かさが要いるから
お別わかれに意味いみがあったなんて思おもったんです
先立さきだつ幸しあわせをお許ゆるしください
見上みあげた高望たかのぞみだと嗤わらってください
夕立ゆうだちが紡つむぎ上あげた空蝉うつせみの中なかで
心こころ奪うばわれたのよ可笑おかしいでしょう
幸福こうふくを祈いのります
側そばに居おります
流ながれて行ゆく季節きせつに目めをはって絵えを描かきます
十日とおか後ごの陽ひだまり
誰だれかいるなら
きっと確たしかにそのひとひらを担になったんです
やがて全部ぜんぶ砂すなに還かえって
あらゆる奇跡きせきのかけらを残のこせなくてもいいよ
記憶きおくも忘却ぼうきゃくもあなたの特権とっけんだから
やがて光ひかりに導みちびかれ
いつか星ほしまで手てが届とどく
共ともに灰はいになる曲きょくを書かきます
まっすぐ伸のびる高たかい声こえを辿たどって
会あいに来きます
三十九さんじゅうきゅう糎せんち四方しほうの小窓こまどに
きっと長ながい髪かみが垂たれてきてくすぐったいんです
先立sakidaつtsu幸shiawaせをおsewoo許yuruしくださいshikudasai
我waがga儘mamaにni遺nokoすsu声koeをwo聞kiいてくださいitekudasai
桜sakuraのno花hanaもmo失uせたseta六roku月gatsuのno菖蒲ayame
そこにはもうsokonihamou私watashiはha居iないでしょうnaidesyou
先立sakidaつtsu幸shiawaせをおsewoo許yuruしくださいshikudasai
若wakaさsa故yueのno恋koiのno匙saji 掬sukuってくださいttekudasai
泣naいてるiteru友達tomodachiをwo慰nagusaめるmeru言葉kotoba
それすらもうsoresuramou声koeにはniha出daせないでしょうsenaidesyou
先立sakidaつtsu幸shiawaせをおsewoo許yuruしくださいshikudasai
逃niげge続tsuduけたことをただketakotowotada叱shikaってくださいttekudasai
このkono世yoにni生uまれmare落oちてchite救sukuわれることはwarerukotoha
救sukuわれたとwaretato伝tsutaえることなのでしょうerukotonanodesyou
遠tooいi街machiにni行yuきますkimasu
先sakiにni降oりますrimasu
離hanaれていくreteiku光hikariにni手teをwo振fuってtte背seをwo向muけますkemasu
今日kyou 午後gogoのno旅路tabijiにni傘kasaがga要iるからrukara
おo別waかれにkareni意味imiがあったなんてgaattanante思omoったんですttandesu
先立sakidaつtsu幸shiawaせをおsewoo許yuruしくださいshikudasai
見上miaげたgeta高望takanozoみだとmidato嗤waraってくださいttekudasai
夕立yuudachiがga紡tsumuぎgi上aげたgeta空蝉utsusemiのno中nakaでde
心kokoro奪ubaわれたのよwaretanoyo可笑okaしいでしょうshiidesyou
幸福koufukuをwo祈inoりますrimasu
側sobaにni居oりますrimasu
流nagaれてrete行yuくku季節kisetsuにni目meをはってwohatte絵eをwo描kaきますkimasu
十日tooka後goのno陽hiだまりdamari
誰dareかいるならkairunara
きっとkitto確tashiかにそのひとひらをkanisonohitohirawo担ninaったんですttandesu
やがてyagate全部zenbu砂sunaにni還kaeってtte
あらゆるarayuru奇跡kisekiのかけらをnokakerawo残nokoせなくてもいいよsenakutemoiiyo
記憶kiokuもmo忘却boukyakuもあなたのmoanatano特権tokkenだからdakara
やがてyagate光hikariにni導michibiかれkare
いつかitsuka星hoshiまでmade手teがga届todoくku
共tomoにni灰haiになるninaru曲kyokuをwo書kaきますkimasu
まっすぐmassugu伸noびるbiru高takaいi声koeをwo辿tadoってtte
会aいにini来kiますmasu
三十九sanjuukyuu糎senchi四方shihouのno小窓komadoにni
きっとkitto長nagaいi髪kamiがga垂taれてきてくすぐったいんですretekitekusuguttaindesu