フィラメント 歌詞 Uru 映画「おいしくて泣くとき」主題歌 ふりがな付

手てを振ふった後あとの道みちが寂さみしくなるのは
君きみの背中せなかが遠とおくなっていくほど
また一人ひとりきりの世界せかいに戻もどっていくから

本当ほんとうは弱よわくて、なんて情なさけないから
言いえないけど でも君きみはきっと
そんな私わたしのこと随分ずいぶん前まえから知しってたかな

点ついては消きえる街灯がいとうを見みてた
心許こころもとない灯あかりの中なか
行いき場ばを失なくした冷つめたい右手みぎてを
握にぎってくれた君きみの手てが優やさしかった

10年ねん後ごの私わたしはちゃんと笑わらえてるかな
今日きょうまで流ながした涙なみだの分ぶんも
拭ぬぐいきれない弱よわさも君きみがくれた強つよさも
胸むねの奥おく 抱だきしめていよう

「僕ぼくも同おなじだよ」初はじめて君きみが零こぼした
たくさんの後悔こうかいや痛いたみが
小ちいさな振動しんどうと共ともに私わたしの肩かたに届とどいた

街まちですれ違ちがう人ひとたちも
今いま隣となりにいてくれる君きみも
乗のり越こえてきた苦くるしみや傷痕きずあとを
両手りょうてに抱かかえながら生いきているのかな

丸まるい背中せなかを二ふたつ並ならべた夜よるの空そらに
指ゆびで小ちいさな夢ゆめを描えがいてみる
熱あつくなっていく手てを君きみに握にぎり返かえして
もう一度いちど 小ちいさく願ねがった

躓つまずきながら
立たち止どまりながら
ゆっくりと歩あるいていく

10年ねん前まえにここで見上みあげた夜よるの空そらを
思おもい出だしながら笑わらおう

「タイムマシーンがあったら教おしえてあげたいよ」と
また君きみとこの場所ばしょで笑わらってる
胸むねの奥おく 抱だきしめていよう