忘却 歌詞 Bocchi ふりがな付

価値かちにもならないこの体からだと
歌詞かしにもできない人生じんせいを
辞やめる時ときに何なにを想おもうだろうか
幸しあわせになれたかな

イヤホンから流ながれる曲きょくが終おわって
この耳みみを包つつんだ雨あめでさえも
美うつくしさを帯おびて消きえてゆくから
神かみはこれを選えらんだんだね

「追憶ついおくで世界せかいを作つくっていくから
怖こわくないって」
それすら不条理ふじょうりじゃんかって
またすぐ諦あきらめて

描えがいた夜よる 触ふれられそうな月つきを背せに
消きえたいと言いう
爆はぜる心こころ 満みちぬままだ
あぁ

今日きょうで何回目なんかいめだっけ
生いきる意味いみを探さがして
頬ほほに伝つたう雫しずくでさえも
証明しょうめいになれやしないな
夜よるに住すまう花はなの太陽たいようになって
最期さいごの夏なつに立たっていた

「忘わすれじ、行ゆく先さきをいつまでも憶おぼえているから。」
それすら消けしてしまうこと!
何なにも残のこらんじゃんかって

朝焼あさやけ空ぞら 藍あいを照てらす
刹那せつな色いろ世界せかいでさえも
明日あすを生いきる意味いみにすらなれはしないから

イヤホンから流ながれる曲きょくが終おわった
雨あめの音おとだけが耳みみを包つつんだ
傘かさを持もたない僕ぼくは
今いまも取とり憑つかれるように見みとれていた

この雨あめでさえすら
美うつくしさを帯おびて消きえて行ゆけるのに
何なんにもなれない僕ぼくはもう無ないのと
同おなじじゃんかって
価値かちにもならないこの体からだと
歌詞かしにもできないこの人生じんせい
美うつくしいものだけを残のこしていきたい
夜よるに生いきる花はなの太陽たいようになりたい
目めまぐるしく摩耗まもうされるこの世界せかいで
僕ぼくは今いまもあなたの心こころに残のこるものだけを
紡つむいでいきたいから

「散ちり行ゆく、花はなが舞まう様さまこそ追憶ついおくだって」
それなら消けしてしまうこと
何なにも怖こわくないじゃんかって
空そらに薫かおる夏なつの匂においに透過とうかしていく
消きえたいという君きみは

「追憶ついおくが世界せかいを作つくっていくから
怖こわくないって」
それすら不条理ふじょうりじゃんかって
またすぐ諦あきらめて

描えがいた夢ゆめ 触ふれられそうな君きみの手ては
消きえたいという
爆はぜる心こころ 満みちぬままで
"ただ思おもい一ひとつ 照てらす雫しずくは落おちた"