大河に落ちた種～華のうてな 歌詞 三日月宗近,加州清光,蜂須賀虎徹,鶴丸国永,水心子正秀,大包平,山姥切国広,弥比古似の子 ふりがな付

いのちもおもいも
(いのちもおもいも)
かたち無ないからこそ
(かたち無ないからこそ)
壊こわれぬまま残のこる

流ながるる大河たいがに
(流ながるる大河たいがに)
落おちた種たね
(落おちた種たね)
行ゆく先さき見届みとどけよう

つながれ 種たねよ 芽吹めぶけ
伝つたわれ 花はなよ 咲さき誇ほこれ

やがてこの地ちに
生うまれる楽土らくど
その礎いしずえとなれ

花はなが先さきか 種たねが先さきか
満みちるが先さきか 欠かけるが先さきか
巡めぐるもののはじまりは
不確ふたしかで曖昧あいまい

「この陸奥みちのくで咲さき誇ほこる花々はなばな…」

咲さくが先さきか 朽くちるが先さきか

「阿弖流為あてるい、母も禮れの処刑しょけいから二五〇にひゃくごじゅう年ねんの後のち、奥おく六ろく郡ぐんの長おさ、安倍あべ氏しが大おおきな反乱はんらんを起おこす。それを皮切かわきりに前ぜん九く年ねんの役えき、後ご三さん年ねんの役えきと戦いくさが続つづく」

散ちるが先さきか 芽吹めぶくが先さきか

「戦たたかいの後あと、平将門たいらのまさかどを射いった藤原秀郷ふじわらのひでさとの末裔まつえい、藤原清衡ふじわらのきよひらがこの陸奥みちのくに君臨くんりんする」

巡めぐり巡めぐってこの地ちは
戦いくさなき仏国土ぶっこくど

「平泉ひらいずみ……」

ひらいたら つぼんだ
ぽん ぽん ぽん…
つぼんだら ひらいた
ぽん ぽん ぽん…

「……」

「……およそ百ひゃく年ねん続つづいた黄金おうごん楽土らくども、頼朝よりともが起おこした戦いくさによって散ちりゆく」

安寧あんねいの終おわりはいつも
戦いくさのはじまり
散ちって、朽くち果はてて……

「次つぎにつなぐ種たねとなる。……幾人いくにんもの…我わが友とももしかり」

半座はんざ分わかつ
華はなのうてな
誰たが為ためにそこにある
宿世すくせ分わかつ為ための
華はなのうてな