よみ:おちこぼれのおとこ1
落ちこぼれの男1 歌詞
-
和泉守兼定,瑣吉,謎の男
- 2026.3.25 リリース
- 作詞
- 浅井さやか(One on One)
- 作曲
- YOSHIZUMI
- 編曲
- YOSHIZUMI
友情
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「『ある処ところに男おとこあり。その男おとこ、生うまれは八丁堀はっちょうぼり』」
「『優秀ゆうしゅうな兄あに共どもとは異ことなり、
何事なにごとにおいても才徳さいとくを持もち合あわせていない落伍者らくごしゃであった。
出来でき損そこないの邪魔者じゃまものと、容赦ようしゃのない誹そしりに心身しんしんを蝕むしばまれる幼少期ようしょうき。 その様さま、地ちを這はう虫むしが如ごとく』」
知しってるか? 存在そんざいは客観きゃっかんなんだ
見みようとしてくれなきゃ
俺おれは そこにいない
…存在しないいないんだ
自然しぜん 視線しせんは下したを向むき
地面じめんを這はう虫むしばかりを追おう
うちに 不意ふいに 手てにした木きの棒ぼうで
土つちを刈かり 一本いっぽん棒ぼうを描えがき
円まるを描えがき 反芻はんすうし
いつしかそれは絵えとなった
「『幾いくばくかの時ときが流ながれたあるみぎり…』」
「通とおりすがりの爺じいさんがふと声こえをかけてきた。
『お、うめえじゃねえか。
おまえさん絵描えかきになれるんじゃねえかあ?』
……かすっかすのしゃがれた声こえで言いったんだ。 俺おれは泣ないたよ。
涙なみだがこぼれたわけじゃねえ。 でも確たしかに泣ないて叫さけんだんだ。」
「これだ」って……
腹はらが減へれば泣なき
眠ねむたければ愚図ぐずる赤子あかごのように
ただ絵えを描かきたいという欲よくが
男おとこの中なかに芽生めばえた
生うまれて初はじめての欲求よっきゅうだった
「『絵えを通つうじて、自分じぶんという存在そんざいを見みてくれる。
そのことが希望きぼうだった…』」
赤子あかごはいつしか知しる
己おのれに手てがあること
その手てを伸のばせば
欲ほしいものに手てが届とどくこと
「俺おれの絵えを、欲ほしい人ひとがいる…!?」
赤子あかごはいつしか知しる
認みとめられる喜よろこびを
一度いちど知しったら
知しったら
もっと
もっと…
もっともっと…
「『その筆ふでは男おとこの手てに吸すい付つくようにあった。』」
奇怪きかい千万せんばん 思おもうがままに筆ふでが踊おどり
次つぎから次つぎへ 紙かみから紙かみへ
筆ふでを付ついたところから絵えが沸わき出いずる
その絵えに江戸えど中じゅうの人々ひとびとが群むらがっ…!
「なんだ…?!」
「筆ふでが動うごかない…?」
「『江戸えど中じゅうの人々ひとびとが群むらがっ』……!」
「……」
「!」
「……!」
筆ふでを付ついたところから絵えが沸わき出いずる…
「『だが、男おとこの絵えは大たいした評判ひょうばんにはならなかった』」
「誰だれも俺おれを見みてくれねえ…」
「……いや…違ちがう… わたしが書かきたいのは…」
「けっ! 流行はやりの絵えのどこがいいんだ。綺麗きれいなだけじゃねえか。
俺おれの絵えには魂たましいがある! それに見向みむきもしねえで、
あんな薄うすっぺらい絵えがもてはやされてるようじゃ世よも末すえだな。
……あー胸むなくそ悪わりぃ…」
燻くすぶった火ひから吐はき出だされる黒くろい煙けむりが
瞬またたく間まに男おとこの心魂こころだましいを覆おおい尽つくしてゆく
まるで自分じぶん自身じしんが煤すすけたような心地ここちになり
「『優秀ゆうしゅうな兄あに共どもとは異ことなり、
何事なにごとにおいても才徳さいとくを持もち合あわせていない落伍者らくごしゃであった。
出来でき損そこないの邪魔者じゃまものと、容赦ようしゃのない誹そしりに心身しんしんを蝕むしばまれる幼少期ようしょうき。 その様さま、地ちを這はう虫むしが如ごとく』」
知しってるか? 存在そんざいは客観きゃっかんなんだ
見みようとしてくれなきゃ
俺おれは そこにいない
…存在しないいないんだ
自然しぜん 視線しせんは下したを向むき
地面じめんを這はう虫むしばかりを追おう
うちに 不意ふいに 手てにした木きの棒ぼうで
土つちを刈かり 一本いっぽん棒ぼうを描えがき
円まるを描えがき 反芻はんすうし
いつしかそれは絵えとなった
「『幾いくばくかの時ときが流ながれたあるみぎり…』」
「通とおりすがりの爺じいさんがふと声こえをかけてきた。
『お、うめえじゃねえか。
おまえさん絵描えかきになれるんじゃねえかあ?』
……かすっかすのしゃがれた声こえで言いったんだ。 俺おれは泣ないたよ。
涙なみだがこぼれたわけじゃねえ。 でも確たしかに泣ないて叫さけんだんだ。」
「これだ」って……
腹はらが減へれば泣なき
眠ねむたければ愚図ぐずる赤子あかごのように
ただ絵えを描かきたいという欲よくが
男おとこの中なかに芽生めばえた
生うまれて初はじめての欲求よっきゅうだった
「『絵えを通つうじて、自分じぶんという存在そんざいを見みてくれる。
そのことが希望きぼうだった…』」
赤子あかごはいつしか知しる
己おのれに手てがあること
その手てを伸のばせば
欲ほしいものに手てが届とどくこと
「俺おれの絵えを、欲ほしい人ひとがいる…!?」
赤子あかごはいつしか知しる
認みとめられる喜よろこびを
一度いちど知しったら
知しったら
もっと
もっと…
もっともっと…
「『その筆ふでは男おとこの手てに吸すい付つくようにあった。』」
奇怪きかい千万せんばん 思おもうがままに筆ふでが踊おどり
次つぎから次つぎへ 紙かみから紙かみへ
筆ふでを付ついたところから絵えが沸わき出いずる
その絵えに江戸えど中じゅうの人々ひとびとが群むらがっ…!
「なんだ…?!」
「筆ふでが動うごかない…?」
「『江戸えど中じゅうの人々ひとびとが群むらがっ』……!」
「……」
「!」
「……!」
筆ふでを付ついたところから絵えが沸わき出いずる…
「『だが、男おとこの絵えは大たいした評判ひょうばんにはならなかった』」
「誰だれも俺おれを見みてくれねえ…」
「……いや…違ちがう… わたしが書かきたいのは…」
「けっ! 流行はやりの絵えのどこがいいんだ。綺麗きれいなだけじゃねえか。
俺おれの絵えには魂たましいがある! それに見向みむきもしねえで、
あんな薄うすっぺらい絵えがもてはやされてるようじゃ世よも末すえだな。
……あー胸むなくそ悪わりぃ…」
燻くすぶった火ひから吐はき出だされる黒くろい煙けむりが
瞬またたく間まに男おとこの心魂こころだましいを覆おおい尽つくしてゆく
まるで自分じぶん自身じしんが煤すすけたような心地ここちになり