ほおずり 歌詞 寺本圭佑 ふりがな付

ホントに この子こは まだ泣ないてるの?涙なみだは今夜こんやだけ
あなたは喪主もしゅさんなんだから しっかりしないとね
クラクションの合図あいずが鳴なったら すぐに母かあさんは出発しゅっぱつします
棺ひつぎのなかで挨拶あいさつを ちゃんと聞きいてるから
メソメソせずに お努つとめをしてね
ほらほらロウソクが 消きえかけてるじゃない
悔くやしくて 悔くやしくて あゝああ悔くやしくて
髪かみをなでなで ほおずりしている 二人ふたりだけの夜よる

願ねがいも 聞きかずに 暗くらい夜空よぞらに 流ながれ星ぼしは消きえた
不吉ふきつな予感よかんに母ははの手てを 握にぎりしめていたら
「すぐご家族かぞくを呼よんでください」先生せんせいの言葉ことば 胸むねを引ひき裂さく
頭あたまのなかは真まっ白しろに 母ははを抱いだきしめてた
肩かたふるわせて 胸むねにこみあげる
辛つらさを飲のみ込こめば 涙なみだになって出でた
温ぬくもりを 温ぬくもりを あゝああ温ぬくもりを
あと少すこしだけ こうしていたいよ こうしていたいよ

公園こうえん通とおればきっとお花見はなみを 思おもい出だすだろうね
あの日ひの母かあさんはとっても 嬉うれしそうだったな
散ちる花はなびらと 目めと目めが合あって「来年らいねんまたね」って約束やくそくしてた
右みぎに左ひだりに 揺ゆれながら 土つちに帰かえったのか
ひとつ大事だいじな 話はなしがあるんだ
来世らいせもかならず 母かあさんの子こにしてほしい
淋さびしくて 淋さびしくて あゝああ淋さびしくて
髪かみをなでなで ほおずりしている 二人ふたりだけの夜よる