スプリンター 歌詞 菅田将暉 ふりがな付

始はじめの一呼吸ひとこきゅうが 始はじめの一歩いっぽが 始はじめのストロークが 大切たいせつだ
ゴール、蜃気楼しんきろうのごとく 炎天下えんてんかのトラック 蒸発じょうはつしそうな影かげ ともあれ走はしり出ださなきゃ

飲のみ干ほしたペットボトル 競技場きょうぎじょうのベンチにて
蝉せみの抜ぬけ殻がらのような 投なげ捨すてたユニフォーム
あふれたゴミ箱ばこの ほとんどは誰だれかの後悔こうかい
しおれた旗はたは 風かぜを待まってる

誰だれのせいか 誰だれのお陰かげかなんて 答こたえ合あわせはどうせ死しぬとき
フィニッシュラインの後あとも人生じんせいは続つづくように 終おわって 始はじまって 終おわって 始はじまって
「泣なきたい時ときは泣ないたらいいよ」なんて 決けっして言いわない口くちが裂さけても
こらえるべきだ その悔くやしさは 君きみを泣なかせるには値あたいしない

長ながい長ながい夜よるでした 今いまだから言いえる事こと 今いまだから言いわせて 今いままでそうしてきたように
七月しちがつの砂浜すなはま 蒸発じょうはつした黒くろい影かげ 笑わらいかけてくれる人ひと いつしか過去かこになったけど

焦あせりと不安ふあんの日々ひびで 誇ほこれる物ものもなく
意味いみもなく鼓動こどうが うるさくて眠ねむれない
もう一人ひとりの自分じぶんが 内うちから胸むねを殴なぐる
しおれた勇気ゆうきが 覚悟かくごを待まってる

誰だれの勝かちか 誰だれが負まけたかなんて 答こたえ合あわせはどうせ死しぬとき
長ながい夜よるが明あけても いずれまた夜よるは来くる 終おわって 始はじまって 終おわって 始はじまって
「泣なきたい時ときは泣ないたらいいよ」なんて 言いってくれるな口くちが裂さけても
こらえるべきだ この悔くやしさは 僕ぼくが挫くじけるには値あたいしない

家いえには帰かえれずに 電灯でんとうに照てらされた 投なげ捨すてたユニフォーム 拾ひろって走はしり出だす
走はしり続つづけた距離きょりだけ 諦あきらめなかった分ぶんだけ 理由りゆうは増ふえてった 終おわれない理由りゆうが
「もう少すこし あと少すこし」でここまで来きた これからもだ スプリンター
「もう駄目だめだ」って繰くり返かえした これからもだ スプリンター

後悔こうかいだとか 些細ささいな自責じせきだとか 熱情ねつじょうのあとに残のこる抜ぬけ殻がら
投なげ捨すてたゴミ箱ばこ 振ふり切きった何度なんどでも 終おわって 始はじまって 終おわって 始はじまって
「泣なきたい時ときは 泣ないたらいいよ」なんて 君きみが言いうから泣なけてくるんだよ
終おわってたまるか どんな悔くやしさも 夢ゆめを終おわらすには値あたいしない