葵あおいの旗はたに 風かぜ荒あれて
春はる三さん月がつに 降ふる雪ゆきや
世よの仇あだ雲ぐもを 払はらわんと
白しろ刄やいばおどる 桜田門さくらだもん
[詩吟しぎん]
決然けつぜん国くにを去さって 天涯てんがいに向むかう
生別せいべつ又また死別しべつを 兼けんぬるの時とき
弟妹ていまいは知しらず 阿あ兄あにの志こころざし
慇懃いんぎんに袖そでを索さくいて 帰かえさ期きを問とう
(佐野さの竹之助たけのすけ)
勤皇攘夷きんのうじょうい 火ひと燃もゆる
男おとこの意気いきは ただ一路いちろ
ひとたび起たてば かえりみぬ
この身みを許ゆるせ 妻つまよ子こよ
大老たいろう井伊いいを いまここに
討うたんと迫せまる 十八じゅうはち士し
降ふりつむ雪ゆきに 紅くれないの
熱血ねっけつしぶく 桜田門さくらだもん
葵aoiのno旗hataにni 風kaze荒aれてrete
春haru三san月gatsuにni 降fuるru雪yukiやya
世yoのno仇ada雲gumoをwo 払haraわんとwanto
白shiro刄yaibaおどるodoru 桜田門sakuradamon
[詩吟shigin]
決然ketsuzen国kuniをwo去saってtte 天涯tengaiにni向muかうkau
生別seibetsu又mata死別shibetsuをwo 兼kenぬるのnuruno時toki
弟妹teimaiはha知shiらずrazu 阿a兄aniのno志kokorozashi
慇懃inginにni袖sodeをwo索sakuいてite 帰kaesa期kiをwo問toうu
(佐野sano竹之助takenosuke)
勤皇攘夷kinnoujoui 火hiとto燃moゆるyuru
男otokoのno意気ikiはha ただtada一路ichiro
ひとたびhitotabi起taてばteba かえりみぬkaeriminu
このkono身miをwo許yuruせse 妻tsumaよyo子koよyo
大老tairou井伊iiをwo いまここにimakokoni
討uたんとtanto迫semaるru 十八juuhachi士shi
降fuりつむritsumu雪yukiにni 紅kurenaiのno
熱血nekketsuしぶくshibuku 桜田門sakuradamon