ゆらゆら 提灯灯ちょうちんともる
そら 夜よるの蝶ちょうたちのおでましだ
色気いろけ 振ふりまいて 惑まどわす 誰彼見境だれかれみさかいなく
花魁道中おいらんどうちゅう 目めに付ついた
私わたしには目めもくれぬ 横顔よこがおが
毎夜まいよ その顔探かおさがす程ほど 落おとされてしまっては もう遅おそい
ねえ、そこの旦那だんなダンナ
私わたしの一夜いちやを買かってくれよ
ねえ、そこの旦那だんなダンナ
一夜限いちやかぎりの夢ゆめを見みせてあげる
さあ 今宵こよいも酔よって見みてらっしゃい
奪うばいたい目めはただ一ひとつだけ
焦こがれさせて 今いまだけは
既すでに誰だれかの男ものだとしても
こんなに酷ひどい恋こいはないね
好すきでもない男おとこに色鬻いろひさぐ
好すきでもない男おとこに夜よるを貸かす
決けっして安やすくないこの夜よるを
貴方あなたにならさ 無償むしょうであげるのに
心こころは他所よそに 身体からだは私ここに
夜よるを永ながい地獄よるに変かえたのは 貴方あなた
ゆらゆら 心揺こころゆれ熟うれ
迎むかえに来くるなんて 夢見事ゆめみごと
呆気あっけなく 散ちった 塵ちりの如ごとく
添そい遂とげるは知しらぬ男おとこの元もと
ねえ、そこの旦那だんなダンナ
私わたしの一生いっしょう 買かってくれよ
ねえ、そこの旦那だんなダンナ
最期さいごまで告いえなかった言葉ことば
寄よってらっしゃい見みてらっしゃい
世よにも愚おろかな 女おんなの末路すがた
行ゆきは好よい酔よい 帰かえりは無ない
終おわりの無ない闇やみに沈しずむだけ
こんなに不幸ふこうな恋こいは無ないね
ゆらゆらyurayura 提灯灯chouchintomoるru
そらsora 夜yoruのno蝶chouたちのおでましだtachinoodemashida
色気iroke 振fuりまいてrimaite 惑madoわすwasu 誰彼見境darekaremisakaiなくnaku
花魁道中oirandouchuu 目meにni付tsuいたita
私watashiにはniha目meもくれぬmokurenu 横顔yokogaoがga
毎夜maiyo そのsono顔探kaosagaすsu程hodo 落oとされてしまってはtosareteshimatteha もうmou遅osoいi
ねえnee、そこのsokono旦那dannaダンナdanna
私watashiのno一夜ichiyaをwo買kaってくれよttekureyo
ねえnee、そこのsokono旦那dannaダンナdanna
一夜限ichiyakagiりのrino夢yumeをwo見miせてあげるseteageru
さあsaa 今宵koyoiもmo酔yoってtte見miてらっしゃいterassyai
奪ubaいたいitai目meはただhatada一hitoつだけtsudake
焦koがれさせてgaresasete 今imaだけはdakeha
既sudeにni誰dareかのkano男monoだとしてもdatoshitemo
こんなにkonnani酷hidoいi恋koiはないねhanaine
好suきでもないkidemonai男otokoにni色鬻irohisaぐgu
好suきでもないkidemonai男otokoにni夜yoruをwo貸kaすsu
決kextuしてshite安yasuくないこのkunaikono夜yoruをwo
貴方anataにならさninarasa 無償musyouであげるのにdeagerunoni
心kokoroはha他所yosoにni 身体karadaはha私kokoにni
夜yoruをwo永nagaいi地獄yoruにni変kaえたのはetanoha 貴方anata
ゆらゆらyurayura 心揺kokoroyuれre熟uれre
迎mukaえにeni来kuるなんてrunante 夢見事yumemigoto
呆気akkeなくnaku 散chiったtta 塵chiriのno如gotoくku
添soいi遂toげるはgeruha知shiらぬranu男otokoのno元moto
ねえnee、そこのsokono旦那dannaダンナdanna
私watashiのno一生issyou 買kaってくれよttekureyo
ねえnee、そこのsokono旦那dannaダンナdanna
最期saigoまでmade告iえなかったenakatta言葉kotoba
寄yoってらっしゃいtterassyai見miてらっしゃいterassyai
世yoにもnimo愚oroかなkana 女onnaのno末路sugata
行yuきはkiha好yoいi酔yoいi 帰kaeりはriha無naいi
終oわりのwarino無naいi闇yamiにni沈shizuむだけmudake
こんなにkonnani不幸fukouなna恋koiはha無naいねine