さよなら夢花火 歌詞 文月海(羽多野渉) ふりがな付

暮くれなずむ空そらを
追おいかけて

君きみと二人ふたり
手てを繋つないでどこまでも…

密ひそやかに告つげた言ことの葉はは
浅あさき夢ゆめの中なかで眠ねむる

しゃらり鈴すずの音おと 木霊こだました
通とおりに響ひびく笛太鼓ふえだいこ

祭囃子まつりばやしに心躍こころおどらせ
君きみを誘さそって縁日巡えんにちめぐり

浴衣ゆかたの裾すそをなびかせた
小ちいさな君きみの手てを引ひいた

君きみがつぶやく
｢デートみたい｣って

わざと聞きこえぬ
振ふりをした

嗚呼ああ 夏なつのせいにして
言いい訳並やくならべて空回からまわり

嗚呼ああ
｢浴衣似合ゆかたにあうね｣と
それさえ言いえなくて…

暮くれなずむ空そらを
追おいかけて
君きみと二人ふたり
手てを繋つないでどこまでも…

密ひそやかに告つげた言ことの葉はは
祭囃子まつりばやしの音おとに隠かくれて
消きえた

的屋てきやで取とった髪飾かみかざり
｢似合にあうかもね…｣と
渡わたしたら

｢大事だいじにする｣って､
｢忘わすれないよ｣って
擦こすれた声こえで告つげられた

嗚呼ああ 夏なつのせいにして
抱だきしめ｢行いくな｣と
言いえたなら…

嗚呼ああ 臆病おくびょうが過すぎて
この手ては動うごかない

｢さよなら｣と言いった
横顔よこがおを
行いかないでと願ねがい込こめ
焼やき付つけた

密ひそやかに告つげた言ことの葉はは
夜空よぞらの華咲はなさく音おとに
隠かくれて…

煌きらめく刹那せつなに染そめられて
終おわらないでと願ねがった
夏なつの日ひは

去さりゆく人ひとの影かげを残のこし
戯たわむれの言ことの葉はは
叶かなわぬ夢ゆめの中なかで
静しずかに眠ねむる