七夜ななよの月つきが はんなりと照てらす道みち
カラリ、コロリと
下駄げた音おとを鳴ならし行いく
宵闇よいやみの中なかで 鬼灯ほおずきに炎ほのおが灯ともる
紅あかき光ひかりが眩まぶしくて 目めを瞑つぶった
揺ゆらめく風かぜが運はこぶ
精霊馬しょうりょううまに導みちびかれて
ひらりと降おり立たった影かげが
するり 僕ぼくの手てを引ひいた
廻めぐる永久とわの汀みぎわで
月つきを背負せおい 狂くるい舞まう
浅あさき夢ゆめ 現うつつを越こえて
理ことわりの彼方かなたで踊おどれ
長ながき糸いとのように伸のびてゆく
煙けむりの先さきに
天てんの輪郭りんかくが ぼんやり解とけてゆく
満天まんてんの星ほしを浴あびて
煌きらめきだす桔梗ききょう畑ばたけ
ひらりと降おり立たった僕ぼくは
するり 影かげの手てを引ひいた
廻めぐる永久とわの畔ほとりで
花はなを纏まとい 狂くるい咲さく
浅あさき夢ゆめ 現うつつを越こえて
理ことわりの彼方かなたで歌うたえ
闇夜やみよに浮うかぶ灯篭とうろう
鳴なき止やまない火花ひばなの声こえ
静しずかに振ふり向むいた影かげは
寂さびしげに 手てを離はなした
廻めぐる永久とわの汀みぎわで
誰だれのために舞まい、歌うたう?
これは夢ゆめか、現うつつなのか
理ことわりの名なも知しらぬまま
さらば 夢ゆめの終おわりへ
精霊しょうりょう船ぶねが漕こぎ出だす
懐なつかしき色いろで響ひびいた
「さよなら」と紡つむぐ声こえ……
「……さよなら」と叫さけびながら
君きみのために舞まい、歌うたい、泣なく
浅あさき夢ゆめ 現うつつを越こえて
理ことわりの彼方かなたで永久とわに……
どうか、安やすらかに眠ねむれ
七夜nanayoのno月tsukiがga はんなりとhannarito照teらすrasu道michi
カラリkarari、コロリkororiとto
下駄geta音otoをwo鳴naらしrashi行iくku
宵闇yoiyamiのno中nakaでde 鬼灯hoozukiにni炎honooがga灯tomoるru
紅akaきki光hikariがga眩mabuしくてshikute 目meをwo瞑tsubuったtta
揺yuらめくrameku風kazeがga運hakoぶbu
精霊馬syouryouumaにni導michibiかれてkarete
ひらりとhirarito降oりri立taったtta影kageがga
するりsururi 僕bokuのno手teをwo引hiいたita
廻meguるru永久towaのno汀migiwaでde
月tsukiをwo背負seoいi 狂kuruいi舞maうu
浅asaきki夢yume 現utsutsuをwo越koえてete
理kotowariのno彼方kanataでde踊odoれre
長nagaきki糸itoのようにnoyouni伸noびてゆくbiteyuku
煙kemuriのno先sakiにni
天tenのno輪郭rinkakuがga ぼんやりbonyari解toけてゆくketeyuku
満天mantenのno星hoshiをwo浴aびてbite
煌kiraめきだすmekidasu桔梗kikyou畑batake
ひらりとhirarito降oりri立taったtta僕bokuはha
するりsururi 影kageのno手teをwo引hiいたita
廻meguるru永久towaのno畔hotoriでde
花hanaをwo纏matoいi 狂kuruいi咲saくku
浅asaきki夢yume 現utsutsuをwo越koえてete
理kotowariのno彼方kanataでde歌utaえe
闇夜yamiyoにni浮uかぶkabu灯篭tourou
鳴naきki止yaまないmanai火花hibanaのno声koe
静shizuかにkani振fuりri向muいたita影kageはha
寂sabiしげにshigeni 手teをwo離hanaしたshita
廻meguるru永久towaのno汀migiwaでde
誰dareのためにnotameni舞maいi、歌utaうu?
これはkoreha夢yumeかka、現utsutsuなのかnanoka
理kotowariのno名naもmo知shiらぬままranumama
さらばsaraba 夢yumeのno終oわりへwarihe
精霊syouryou船buneがga漕koぎgi出daすsu
懐natsuかしきkashiki色iroでde響hibiいたita
「さよならsayonara」とto紡tsumuぐgu声koe……
「……さよならsayonara」とto叫sakeびながらbinagara
君kimiのためにnotameni舞maいi、歌utaいi、泣naくku
浅asaきki夢yume 現utsutsuをwo越koえてete
理kotowariのno彼方kanataでde永久towaにni……
どうかdouka、安yasuらかにrakani眠nemuれre