彷徨い 歌詞 花譜 ふりがな付

一いっ歩ぽ一いっ歩ぽが足あしの裏うらを劈つんざいて
鈍感どんかんな心こころも跳はね上あがって過呼吸かこきゅう気味ぎみ
「もう僕ぼくを守まもるものはないけれど」
続つづきは出でてこない
情景じょうけいに彷徨さまよい

どうしても肌はだをすり抜ぬける全すべてに
どうしても別わかれを言いえなかった

新あたらしいこと始はじめる度たびに
内心ないしん誰だれかが邪魔じゃまをする
電車でんしゃの中なかじゃ大人おとなたちはスマホに夢中むちゅうなのに
「誰だれも僕ぼくを止とめられない、止とめるのは僕ぼく自身じしんだ」
そう俯うつむき呟つぶやいた
後悔こうかいに彷徨さまよい

どうしても知しれないことがある
どうしてもうまく呼吸こきゅうができない
リュックサックに詰つめたハリボテの双眼鏡そうがんきょう
彷徨さまよい歩あるく僕ぼくら何なにが見みえるかな

スニーカーを買かい替かえて
長ながい髪かみもバッサリ切きった
ショートカットで見みる世界せかいは何故なぜか妙みょうに色彩しきさいが綺麗きれいで
思おもわず口くちから出でた
「もう僕ぼくを守まもるものはないけれど」
「それでもいい 傷きずついた過去かこがあるから」

どうしても別わかれを言いえなかった
どうしても上手うまく涙なみだが出だせない
旅立たびだつ僕ぼくにはどうにも言いえない
霞かすんで頭あたまを彷徨さまよう
さよならが言いえなかった

知しらない街まちばかりになって
埃ほこりが目めの中なかに入はいって
ささくれがまた痛いたみ出だして
心細こころぼそくなって陽ひの明あかりが邪魔じゃまをする

ポケットのチョコレートは無なくなって
不安ふあんばかりが連つらなった
電車でんしゃを降おりたら知しらない世界せかいで
「それでもいい 寂さびしさは思おもい出でとなるから」
変かわりゆく自分じぶんにまだ初はじめましてが言いえない

運命うんめいを妄想もうそうと呼よんで
別わかれを悪戯いたずらと笑わらった
培つちかった人生じんせいを置おいて
見みたいものを見みるんだ
スニーカーも長ながい髪かみも
自分じぶんさえ不確ふたしかなままで
何なにと出会であうかな
生涯しょうがいを流離さすらい 永遠えいえんを彷徨さまよい

どうしても世界せかいを見みたかった
どうしても世界せかいを知しりたかった