人生泣き笑い 歌詞 四代目 桂春團治 ふりがな付

嘆なげきや愚痴ぐちまで 粉こなに混まぜ
笑顔えがお振ふりかけ 客きゃくに出だす
めおと暖簾のれんの お好このみ焼やきは
しあわせ弾はじける 音おとがする
これだよここにも ねたがある
人情にんじょう噺ばなしの 泣なき笑わらい
「のれん一枚いちまい 内なかと外そとでは天地てんちの違ちがいや ナーそうは思おもわへんか
気きの合おうた者もんどうしで美味うまいもん食くうて好すきなもん飲のんで
これがわしら庶民しょみんのほんまの幸しあわせやと思おもうで
見みてみい みんなの笑顔えがおが生いき生いきと輝かがやいているやないか」

手鍋てなべが空からでも あの頃ころは
夢ゆめを煮込にこんで 差さし向むかい
酒さけの代かわりに 薄茶うすちゃを飲のんで
がむしゃら働はたらき 生いきてきた
やさしいこの街まち 道頓堀とんぼりで
二人ふたりの人生じんせい 始はじまった
「酔ようて云ゆうんやないけど おまえにはぎょうさん苦労くろうかけたワ
こんな難儀なんぎな男おとこに よう尽つくしてくれた……
そうやナー今夜こんやは飲のみ過すぎや 今いまの話はなしは聞きかんかったことにしといてんか」

出会であいにふれあい 人ひとの縁えん
いつも感謝かんしゃの おかげさま
口くちが身上しんしょう 高座こうざの花はなに
育そだててもらった 恩おんがある
離はなれちゃ暮くらせぬ 大阪おおさかは
横町まち灯あかりも 暖あたたかい