奴やつは突然とつぜん現あらわれる 全身ぜんしん黒くろに身みを包つつみ
松葉杖まつばづえは軽かろやかに いつも ゆく道みちを踊おどる
奴やつは映画館えいがかんへ通かよう やるせなさを身みにまとい
闇やみに包つつまれ 座席ざせきに 深ふかく その身みを沈しずめる
奴やつの振ふり仰あおぐ夜空よぞら 漏もれる溜息ためいきのゆくえ
そこは新開地しんかいちの路地ろじ やけくそをくるんだ街まち
車窓しゃそうを飛とび去さる景色けしき 重かさねる 散ちらばった記憶きおく
銀幕ぎんまくと希望きぼうが好すきで 笑わらい顔がおがいい男おとこ
奴やつは突然とつぜん現あらわれる 全身ぜんしん黒くろに身みを包つつみ
松葉杖まつばづえは軽かろやかに 宿やどす痛いたみを隠かくして
六十ろくじゅう年弱ねんじゃくの月日つきひ 片足かたあしにかけた重おもみ
それは そのまま 喜よろこび 怒いかり 哀かなしんだ轍てつ
車窓しゃそうを飛とび去さる景色けしき 重かさねる 散ちらばった記憶きおく
銀幕ぎんまくと希望きぼうが好すきで 笑わらい顔がおがいい男おとこ
風かぜの便たよりだけど 奴やつは死しんだという
風かぜまかせの唄うた 松葉杖まつばづえの男おとこ
黒くろずくめのなりの 風かぜがはらんだ唄うた
黒くろずくめのなりの 松葉杖まつばづえの男おとこ
奴yatsuはha突然totsuzen現arawaれるreru 全身zenshin黒kuroにni身miをwo包tsutsuみmi
松葉杖matsubadueはha軽karoやかにyakani いつもitsumo ゆくyuku道michiをwo踊odoるru
奴yatsuはha映画館eigakanへhe通kayoうu やるせなさをyarusenasawo身miにまといnimatoi
闇yamiにni包tsutsuまれmare 座席zasekiにni 深fukaくku そのsono身miをwo沈shizuめるmeru
奴yatsuのno振fuりri仰aoぐgu夜空yozora 漏moれるreru溜息tameikiのゆくえnoyukue
そこはsokoha新開地shinkaichiのno路地roji やけくそをくるんだyakekusowokurunda街machi
車窓syasouをwo飛toびbi去saるru景色keshiki 重kasaねるneru 散chiらばったrabatta記憶kioku
銀幕ginmakuとto希望kibouがga好suきでkide 笑waraいi顔gaoがいいgaii男otoko
奴yatsuはha突然totsuzen現arawaれるreru 全身zenshin黒kuroにni身miをwo包tsutsuみmi
松葉杖matsubadueはha軽karoやかにyakani 宿yadoすsu痛itaみをmiwo隠kakuしてshite
六十rokujuu年弱nenjakuのno月日tsukihi 片足kataashiにかけたnikaketa重omoみmi
それはsoreha そのままsonomama 喜yorokoびbi 怒ikaりri 哀kanaしんだshinda轍tetsu
車窓syasouをwo飛toびbi去saるru景色keshiki 重kasaねるneru 散chiらばったrabatta記憶kioku
銀幕ginmakuとto希望kibouがga好suきでkide 笑waraいi顔gaoがいいgaii男otoko
風kazeのno便tayoりだけどridakedo 奴yatsuはha死shiんだというndatoiu
風kazeまかせのmakaseno唄uta 松葉杖matsubadueのno男otoko
黒kuroずくめのなりのzukumenonarino 風kazeがはらんだgaharanda唄uta
黒kuroずくめのなりのzukumenonarino 松葉杖matsubadueのno男otoko