マッチ工場とあじさい 歌詞 あがた森魚 ふりがな付

硫黄いおう燐寸まっちに夜よるもくすぶるだろう
誰だれと誰だれが愛あいしているかわからない
燐寸まっち工場こうじょうの街まちはずれ 落書らくがきだけが本気ほんきで
六月ろくがつの恋こいの刹那せつなさ叫さけんでる

燐寸まっち工場こうじょうの街まち灯あかりからは
燐寸まっちボックスの夕暮ゆうぐれ照てらし出だされる頃ころ
六月ろくがつのあじさい泪なみだの雨あめで揺ゆらすは
工場こうじょう帰がえりの乙女おとめ達たち

燐寸まっち工場こうじょうの隅すみにはあじさい
黄昏たそがれには燕尾服えんびふくの紳士しんし達たち
誰だれもが家路いえじへ 誰だれもが家路いえじへ
雨降あめふる映画館えいがかんの六月ろくがつ

硫黄いおう燐寸まっちで夜よるが燃もえあがって
消防士しょうぼうしと美女びじょが恋こいに陥おちいるつかのま
帽子屋ぼうしやと雨傘屋アンブレッラの
ショウウヰンドウ並ならんで
六月ろくがつの星座せいざにうらないたててる

燐寸まっち工場こうじょうの六月ろくがつの雨あめに
別わかれることも出来できない恋人こいびとたちは
セロファン細工さいくでしわくちゃの
雨空あまぞらの破やぶれ目めから
はっぴいえんどのラストシーン待まってる

雨降あめふる映画館えいがかんからあじさい
硫黄いおうには燕尾服えんびふくの紳士しんし達たち
誰だれもが家路いえじへ 誰だれもが家路いえじへ
雨降あめふる映画館えいがかんの六月ろくがつ