一いち夜や限かぎり とうに気付きづきながら 夜毎よごと委ゆだねる
買かわれる性せい 其それを憎にくみめど 欲よくに溺おぼれ
貴方あなたもそう 彼かれらと同おなじ様ように 雑ざつに為したなら
此程このほどまで 狂くるおしい想おもい 知しらぬままに
こんな私わたしを 昨夜さくや貴方あなたは
女おんなとして扱あつかいました
恋こいを知しらぬこの左胸ひだりむね
酷ひどく高鳴たかなるのです
其それは宵よい花火はなび 虚うつろかな、刹那せつなの夢ゆめ
浮うかべども まだ遠とおく 消きえて行いくの
宵よい花火はなび 残のこり香がは 今いまも此処ここに
胸むねを締しめ付つける
夏なつの夜よるはやけに人恋ひとこいしくなるから嫌きらいで
冬ふゆは温ぬくもり求もとめたくなる だから嫌きらい
貴方あなたもそう 熱病ねつびょうの一ひとつだと決きめてしまえば
きっと何なにも無なかった事ことになるのでしょう
今宵こよいはまた逢あえるでしょうか
それとも明日あした来くるのでしょうか?
待まてど待まてど逢あえぬのならば
せめて傷きずをつけて
其それは宵よい花火はなび 虚うつろかな、儚はかなき陰かげ
薄紅うすべにと群青ぐんじょうが交まじわる頃ころ
宵よい花火はなび みだれ髪がみ 忘わすれたまま
一人ひとり立たち尽つくす
きっと夜更よふけには 誰だれかの腕うでの中なか
明日あしたには忘わすれ恋こいを知しらぬ私わたしに戻もどるの
其それは宵よい花火はなび 忘わすれよと思おもう程ほどに
陰かげとなり焼やき付ついた 瞼まぶたの裏うら
宵よい花火はなび 哀かなしみは渦うずと成なって
息いきを詰つまらす
宵よい花火はなび 虚うつろかな、刹那せつなの夢ゆめ
浮うかべども まだ遠とおく 消きえて行いくの
宵よい花火はなび 残のこり香がは 今いまも此処ここに
胸むねを締しめ付つける
一ichi夜ya限kagiりri とうにtouni気付kiduきながらkinagara 夜毎yogoto委yudaねるneru
買kaわれるwareru性sei 其soれをrewo憎nikumiめどmedo 欲yokuにni溺oboれre
貴方anataもそうmosou 彼kareらとrato同onaじji様youにni 雑zatsuにni為shiたならtanara
此程konohodoまでmade 狂kuruおしいoshii想omoいi 知shiらぬままにranumamani
こんなkonna私watashiをwo 昨夜sakuya貴方anataはha
女onnaとしてtoshite扱atsukaいましたimashita
恋koiをwo知shiらぬこのranukono左胸hidarimune
酷hidoくku高鳴takanaるのですrunodesu
其soれはreha宵yoi花火hanabi 虚utsuろかなrokana、刹那setsunaのno夢yume
浮uかべどもkabedomo まだmada遠tooくku 消kiえてete行iくのkuno
宵yoi花火hanabi 残nokoりri香gaはha 今imaもmo此処kokoにni
胸muneをwo締shiめme付tsuけるkeru
夏natsuのno夜yoruはやけにhayakeni人恋hitokoiしくなるからshikunarukara嫌kiraいでide
冬fuyuはha温nukuもりmori求motoめたくなるmetakunaru だからdakara嫌kiraいi
貴方anataもそうmosou 熱病netsubyouのno一hitoつだとtsudato決kiめてしまえばmeteshimaeba
きっとkitto何naniもmo無naかったkatta事kotoになるのでしょうninarunodesyou
今宵koyoiはまたhamata逢aえるでしょうかerudesyouka
それともsoretomo明日ashita来kuるのでしょうかrunodesyouka?
待maてどtedo待maてどtedo逢aえぬのならばenunonaraba
せめてsemete傷kizuをつけてwotsukete
其soれはreha宵yoi花火hanabi 虚utsuろかなrokana、儚hakanaきki陰kage
薄紅usubeniとto群青gunjouがga交majiわるwaru頃koro
宵yoi花火hanabi みだれmidare髪gami 忘wasuれたままretamama
一人hitori立taちchi尽tsuくすkusu
きっとkitto夜更yofuけにはkeniha 誰dareかのkano腕udeのno中naka
明日ashitaにはniha忘wasuれre恋koiをwo知shiらぬranu私watashiにni戻modoるのruno
其soれはreha宵yoi花火hanabi 忘wasuれよとreyoto思omoうu程hodoにni
陰kageとなりtonari焼yaきki付tsuいたita 瞼mabutaのno裏ura
宵yoi花火hanabi 哀kanaしみはshimiha渦uzuとto成naってtte
息ikiをwo詰tsuまらすmarasu
宵yoi花火hanabi 虚utsuろかなrokana、刹那setsunaのno夢yume
浮uかべどもkabedomo まだmada遠tooくku 消kiえてete行iくのkuno
宵yoi花火hanabi 残nokoりri香gaはha 今imaもmo此処kokoにni
胸muneをwo締shiめme付tsuけるkeru