風人を憐れむ歌 歌詞 陰陽座 ふりがな付

過すぎ去さり行いく 風かぜの 声こえを 留とどめ置おくは 誰だれの 為ためか

其その 憂うれいは 要いらぬもの
畏おそれる 迹あとは 歩あゆまねば 刻きざまぬ

おまえの歌うたは 何処どこにも行ゆけぬ 只ただ 果はて逝ゆく
此この手てに伝つたう 心こころの 声こえも
振ふり返かえる 前まえに 砂すなになる

愚おろかに過すぐ 己おのが 声こえを 求もとめるのは 己おのれのみと

縦よし 気付きづけけど 時間とき 遅おそく
せめても 願ねがう 風かぜに 紛まぎれて 消きえ去され

おまえの歌うたは 何処どこにも行ゆけぬ 只ただ 果はて逝ゆく
此この手てに伝つたう 心こころの 声こえも
振ふり返かえる 前まえに 砂すなになる

其それでも 歌うたう 声こえは 止やまぬ
生命いのちの 在あるを 確あきらかむ様ように

ぼくらの歌うたは 役やくにも立たたぬ 只ただの 戯おどけ句ざれく
溢あふれる程ほどの 無闇むやみな 愛あいも
いま 風かぜに溶とけて 土つちに還かえる

おまえの歌うたは 誰だれにも遣やらぬ 歌うたって逝ゆく
忘わすれたくない 無双むそうの 声こえも
嗄かれ果はてる 前まえに 音おとを消けす