地図ちずから消けされた何処どこかの街まちの様ように、鬼おにの居いないかくれんぼをしながら。
二人ふたりが思おもう通とおりに創つくる、遅おくれ取とった文明ぶんめいを始はじめよう。
ポツンと立たてた古ふるびた看板かんばんで警告けいこくしとく。
此処ここから先さきは立入禁止たちいりきんしですとあからさまに。
心地好ここちよくて縋すがってしまう秘密ひみつ基地きちと呼よんだ廃墟はいきょ。
僕ぼくらだけが持もつ通行つうこう許可証きょかしょう。
この出口でぐちをくぐらなきゃ辛つらい思おもいもしなくていい。
涙なみだを飲のんで焼やけた喉のどが痛いたい。
地図ちずには載のらないこの街まちを囲かこんだ、高たかく冷つめたい壁かべが僕ぼくら包つつむよ。
引ひき換かえに世界せかいを差さし出だして、二人分ふたりぶんの自由じゆうを手てに入いれた。
覚おぼえてるかな。
屋根やねの無ない空間くうかんで見みた空そらを。
何時いつの間まにか興味きょうみを削そがれたあの星ほしを。
心地好ここちよくて縋すがってしまう秘密ひみつ基地きちと呼よんだ廃墟はいきょ。
寒さむいからって二人ふたりくっつき過すぎて。
あんまり喋しゃべらない君きみが初はじめて主張しゅちょうした時ときに、返かえす言葉ことばも無なく惨みじめだった。
「ねぇ、十分じゅうぶん休憩きゅうけい出来できたんじゃない?」
どうしてそんな事ことを云いうの?
背後はいごを壁かべで守まもる僕ぼくたちは、前まえに行いくしかない。
地図ちずから消けされた何処どこかの街まちの様ように、僕ぼくらはまだ諦あきらめてないのかな。
焼やけた喉のどに染しみ込こんだ涙なみだの味あじは、昔むかしと違ちがう。
「空そらが見みたい。」
君きみが悲かなしそうに見上みあげる屋根やねに灯ともすボヤけたプラネタリウム。
「空そらが見みたい。」
そうか、そういう事ことなんだね。
「僕ぼくも見みたい。」
この殻からの向むこう側がわ。
地図chizuからkara消keされたsareta何処dokoかのkano街machiのno様youにni、鬼oniのno居iないかくれんぼをしながらnaikakurenbowoshinagara。
二人futariがga思omoうu通tooりにrini創tsukuるru、遅okuれre取toったtta文明bunmeiをwo始hajiめようmeyou。
ポツンpotsunとto立taてたteta古furuびたbita看板kanbanでde警告keikokuしとくshitoku。
此処kokoからkara先sakiはha立入禁止tachiirikinshiですとあからさまにdesutoakarasamani。
心地好kokochiyoくてkute縋sugaってしまうtteshimau秘密himitsu基地kichiとto呼yoんだnda廃墟haikyo。
僕bokuらだけがradakega持moつtsu通行tsuukou許可証kyokasyou。
このkono出口deguchiをくぐらなきゃwokuguranakya辛tsuraいi思omoいもしなくていいimoshinakuteii。
涙namidaをwo飲noんでnde焼yaけたketa喉nodoがga痛itaいi。
地図chizuにはniha載noらないこのranaikono街machiをwo囲kakoんだnda、高takaくku冷tsumeたいtai壁kabeがga僕bokuらra包tsutsuむよmuyo。
引hiきki換kaえにeni世界sekaiをwo差saしshi出daしてshite、二人分futaribunのno自由jiyuuをwo手teにni入iれたreta。
覚oboえてるかなeterukana。
屋根yaneのno無naいi空間kuukanでde見miたta空soraをwo。
何時itsuのno間maにかnika興味kyoumiをwo削soがれたあのgaretaano星hoshiをwo。
心地好kokochiyoくてkute縋sugaってしまうtteshimau秘密himitsu基地kichiとto呼yoんだnda廃墟haikyo。
寒samuいからってikaratte二人futariくっつきkuttsuki過suぎてgite。
あんまりanmari喋syabeらないranai君kimiがga初hajiめてmete主張syuchouしたshita時tokiにni、返kaeすsu言葉kotobaもmo無naくku惨mijiめだったmedatta。
「ねぇnee、十分juubun休憩kyuukei出来dekiたんじゃないtanjanai?」
どうしてそんなdoushitesonna事kotoをwo云iうのuno?
背後haigoをwo壁kabeでde守mamoるru僕bokuたちはtachiha、前maeにni行iくしかないkushikanai。
地図chizuからkara消keされたsareta何処dokoかのkano街machiのno様youにni、僕bokuらはまだrahamada諦akiraめてないのかなmetenainokana。
焼yaけたketa喉nodoにni染shiみmi込koんだnda涙namidaのno味ajiはha、昔mukashiとto違chigaうu。
「空soraがga見miたいtai。」
君kimiがga悲kanaしそうにshisouni見上miaげるgeru屋根yaneにni灯tomoすsuボヤboyaけたketaプラネタリウムpuranetariumu。
「空soraがga見miたいtai。」
そうかsouka、そういうsouiu事kotoなんだねnandane。
「僕bokuもmo見miたいtai。」
このkono殻karaのno向muこうkou側gawa。