湯上ゆあがりの 船宿ふなやどで
ひとり浴衣ゆかたの 帯おびしめながら
残のこる温ぬくもり 抱だきしめる
たとえわずかな 逢おう瀬せでも
あなたのそばに いたいの私わたし
炎もえるふたりの あゝああしのび川がわ
川岸かわぎしに けむる雨あめ
傘かさにかくれて 人目ひとめをさけて
帰かえるあなたを 見送みおくるの
辛つらい別わかれに 耐たえながら
女おんなの胸むねの この淋さびしさを
水みずに流ながした あゝああしのび川がわ
この川かわに 身みを投なげて
死しねば苦くるしみ 消きえるでしょうか
どうせふたりの 行ゆく先さきは
花はなも咲さかない 春はるもない
涙なみだで終おわる さだめの淵ふちで
愛あいにさまよう あゝああしのび川がわ
湯上yuagaりのrino 船宿funayadoでde
ひとりhitori浴衣yukataのno 帯obiしめながらshimenagara
残nokoるru温nukuもりmori 抱daきしめるkishimeru
たとえわずかなtatoewazukana 逢oうu瀬seでもdemo
あなたのそばにanatanosobani いたいのitaino私watashi
炎moえるふたりのerufutarino あゝaaしのびshinobi川gawa
川岸kawagishiにni けむるkemuru雨ame
傘kasaにかくれてnikakurete 人目hitomeをさけてwosakete
帰kaeるあなたをruanatawo 見送miokuるのruno
辛tsuraいi別wakaれにreni 耐taえながらenagara
女onnaのno胸muneのno このkono淋sabiしさをshisawo
水mizuにni流nagaしたshita あゝaaしのびshinobi川gawa
このkono川kawaにni 身miをwo投naげてgete
死shiねばneba苦kuruしみshimi 消kiえるでしょうかerudesyouka
どうせふたりのdousefutarino 行yuくku先sakiはha
花hanaもmo咲saかないkanai 春haruもないmonai
涙namidaでde終owaるru さだめのsadameno淵fuchiでde
愛aiにさまようnisamayou あゝaaしのびshinobi川gawa