"吉きちさま恋こいしや ホーレヤホー"
とろりとろりと 命いのち火ひ燃もえる
ところは駒込こまごめ 吉祥寺きっしょうじ
武兵衛ぶへえはお七しちに 横恋慕よこれんぼ
天国あまくに宝剣ほうけん 盗ぬすみどり
あー 雪ゆきが 雪ゆきが舞まう
お七しち 十六じゅうろく… 恋こいあわれ
すべてこの世よは夢ゆめ芝居しばい…
降ふる雪ゆきを袖そでにてはらうみだれ髪がみ… いとしき人ひとに逢あいたくて
夜更よふけに灯ともす命いのち火ひは師走しわす間近まぢかな吉祥寺きちじょうじ
花はなのお江戸えどに火ひをつける
そんな大だいそれたことなど思おもいもよらぬ事こと
吉三郎きちさぶろうさまとこのお七しちの仲なかを知しりながら
お七しちを嫁よめにと嫌いやな武兵衛ぶへえの無理難題むりなんだい
あぁ羽はねが欲ほしい 飛とんで行いきたいあなたの側そばへ
恋こいの闇路やみじをひとすじに 思おもいつめれば心こころも乱みだれ
罪つみは覚悟かくごの火ひをつける…
木戸きどが閉しまって まっくら闇夜やみよ
火ひの見櫓みやぐらに かけ登のぼり
お七しちは火事かじじゃと 半鐘はんしょう打うつ
火ひあぶり覚悟かくごで 半鐘はんしょう打うつ
あー 雪ゆきが 雪ゆきが舞まう
するりするりと… 木戸きどが開ひらく
唇くちびるに別わかれ名残なごりの紅べにをさし お七しち涙なみだの鐘かねを打うつ…
ああ あの鐘かねの音ねは早はやさや九ここのつの知しらせなり…
たとえ地獄じごくに落おちるとも
吉三郎きちさぶろうさまとの恋こいのために死しねるお七しちは
倖しあわせものでございます おんな心こころとは儚はかないもの…
いつかこの身みは焼やき尽つくされようと
嘘偽うそいつわりで生いき延のびようなどとは思おもいませぬ
お七しちは吉三郎きちさぶろうさまに抱だかれて
あの世よへ参まいりとうございます ひとめだけでも
ひとめだけでも吉三郎きちさぶろうさまに逢あわせて下くださいませ
お願ねがいでございます…
お願ねがい… お願ねがいでございますーっ…
恋こいは火ひを呼よぶ その名なの通とおり
炎ほのおと燃もえます おんな舞まい
未練みれんをみちづれ 地獄道じごくどう
夢ゆめみてかなしや 鈴ヶ森すずがもり
あー 雪ゆきが 雪ゆきが舞まう
お七しち吉三よしぞうの… 焦こがれ節ぶし
吉三郎きちさぶろうさま… お七しちを
お七しちを連つれて逃にげて下くださいませ… 吉三郎きちさぶろうさまーっ…
"吉kichiさまsama恋koiしやshiya ホhoーレヤホreyahoー"
とろりとろりとtororitororito 命inochi火hi燃moえるeru
ところはtokoroha駒込komagome 吉祥寺kissyouji
武兵衛buheeはおhao七shichiにni 横恋慕yokorenbo
天国amakuni宝剣houken 盗nusuみどりmidori
あaー 雪yukiがga 雪yukiがga舞maうu
おo七shichi 十六juuroku… 恋koiあわれaware
すべてこのsubetekono世yoはha夢yume芝居shibai…
降fuるru雪yukiをwo袖sodeにてはらうみだれniteharaumidare髪gami… いとしきitoshiki人hitoにni逢aいたくてitakute
夜更yofuけにkeni灯tomoすsu命inochi火hiはha師走shiwasu間近majikaなna吉祥寺kichijouji
花hanaのおnoo江戸edoにni火hiをつけるwotsukeru
そんなsonna大daiそれたことなどsoretakotonado思omoいもよらぬimoyoranu事koto
吉三郎kichisaburouさまとこのおsamatokonoo七shichiのno仲nakaをwo知shiりながらrinagara
おo七shichiをwo嫁yomeにとnito嫌iyaなna武兵衛buheeのno無理難題murinandai
あぁaa羽haneがga欲hoしいshii 飛toんでnde行iきたいあなたのkitaianatano側sobaへhe
恋koiのno闇路yamijiをひとすじにwohitosujini 思omoいつめればitsumereba心kokoroもmo乱midaれre
罪tsumiはha覚悟kakugoのno火hiをつけるwotsukeru…
木戸kidoがga閉shiまってmatte まっくらmakkura闇夜yamiyo
火hiのno見櫓miyaguraにni かけkake登noboりri
おo七shichiはha火事kajiじゃとjato 半鐘hansyou打uつtsu
火hiあぶりaburi覚悟kakugoでde 半鐘hansyou打uつtsu
あaー 雪yukiがga 雪yukiがga舞maうu
するりするりとsururisururito… 木戸kidoがga開hiraくku
唇kuchibiruにni別wakaれre名残nagoりのrino紅beniをさしwosashi おo七shichi涙namidaのno鐘kaneをwo打uつtsu…
ああaa あのano鐘kaneのno音neはha早hayasaやya九kokonoつのtsuno知shiらせなりrasenari…
たとえtatoe地獄jigokuにni落oちるともchirutomo
吉三郎kichisaburouさまとのsamatono恋koiのためにnotameni死shiねるおneruo七shichiはha
倖shiawaせものでございますsemonodegozaimasu おんなonna心kokoroとはtoha儚hakanaいものimono…
いつかこのitsukakono身miはha焼yaきki尽tsuくされようとkusareyouto
嘘偽usoitsuwaりでride生iきki延noびようなどとはbiyounadotoha思omoいませぬimasenu
おo七shichiはha吉三郎kichisaburouさまにsamani抱daかれてkarete
あのano世yoへhe参maiりとうございますritougozaimasu ひとめだけでもhitomedakedemo
ひとめだけでもhitomedakedemo吉三郎kichisaburouさまにsamani逢aわせてwasete下kudaさいませsaimase
おo願negaいでございますidegozaimasu…
おo願negaいi… おo願negaいでございますidegozaimasuーっxtu…
恋koiはha火hiをwo呼yoぶbu そのsono名naのno通tooりri
炎honooとto燃moえますemasu おんなonna舞mai
未練mirenをみちづれwomichidure 地獄道jigokudou
夢yumeみてかなしやmitekanashiya 鈴ヶ森suzugamori
あaー 雪yukiがga 雪yukiがga舞maうu
おo七shichi吉三yoshizouのno… 焦koがれgare節bushi
吉三郎kichisaburouさまsama… おo七shichiをwo
おo七shichiをwo連tsuれてrete逃niげてgete下kudaさいませsaimase… 吉三郎kichisaburouさまsamaーっxtu…