よみ:しんない「あけがらす」より うらざと
新内「明烏」より 浦里 歌詞
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島津亜矢
- 2009.12.16 リリース
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不幸ふこうの匂においが わかるのか
逢あうた初手しょてから 相惚あいぼれて
花はなの吉原よしはら 賑にぎわう闇やみに
愛あいし恋こいしの 起請文きしょうもん
何百なんびゃく交かわせど 苦界くがいでは
夫婦ふうふになれない 篭かごの鳥とり
「お許ゆるし下ください…
お店みせにかかりのある時次郎ときじろうさんゆえ、
浦里うらざとが手引てびきをして
二階にかいへ上あげたのでございます。
ああ酷むごい、寄よってたかって時次郎ときじろうさんを
打うつの蹴けるのと仕放題しほうだい。
その責せめ苦く、どうか私わたしに下ください…
この浦里うらざとが悪わるいのです。
心底しんそこ惚ほれた時次郎ときじろうさんの身替みがわりなら、
どのような目めに
遭あおうとも、私わたしは厭いといません……」
ご法度はっと破やぶりの 折檻せっかんに
哀あわれ浦里うらざと 身みをさらす
物見高ものみだかいは 色里いろざとごのみ
雪ゆきも連つれだち 覗のぞきみる
どのよな憂うき目めに 会あおうとも
主つかささんあるなら 耐たえられる
「時次郎ときじろうさん、
どうして戻もどってきたのですか…
ここで死しぬのは容易たやすいけれど、
廓くるわで死しぬのは恥はじの恥はじ。
早はやくこの縄なわ、早はやくこの縄なわを断たち切きって、
箱梯子はこばしごのぼり塀へいを乗のり越こえましょう。
大門おおもん抜ぬければ自由じゆうの身み…
浦里うらざと嬉うれしゅうございます……」
この世よの旅路たびじの 行いく先さきは
右みぎも左ひだりも 行いきどまり
いっそ二人ふたりで 手てを取とり合あうて
渡わたる三さん途との 夫婦ふうふ船せん
闇夜やみよの名残なごりを 告つげるよに
啼ないてせつない 明烏あけがらす
逢あうた初手しょてから 相惚あいぼれて
花はなの吉原よしはら 賑にぎわう闇やみに
愛あいし恋こいしの 起請文きしょうもん
何百なんびゃく交かわせど 苦界くがいでは
夫婦ふうふになれない 篭かごの鳥とり
「お許ゆるし下ください…
お店みせにかかりのある時次郎ときじろうさんゆえ、
浦里うらざとが手引てびきをして
二階にかいへ上あげたのでございます。
ああ酷むごい、寄よってたかって時次郎ときじろうさんを
打うつの蹴けるのと仕放題しほうだい。
その責せめ苦く、どうか私わたしに下ください…
この浦里うらざとが悪わるいのです。
心底しんそこ惚ほれた時次郎ときじろうさんの身替みがわりなら、
どのような目めに
遭あおうとも、私わたしは厭いといません……」
ご法度はっと破やぶりの 折檻せっかんに
哀あわれ浦里うらざと 身みをさらす
物見高ものみだかいは 色里いろざとごのみ
雪ゆきも連つれだち 覗のぞきみる
どのよな憂うき目めに 会あおうとも
主つかささんあるなら 耐たえられる
「時次郎ときじろうさん、
どうして戻もどってきたのですか…
ここで死しぬのは容易たやすいけれど、
廓くるわで死しぬのは恥はじの恥はじ。
早はやくこの縄なわ、早はやくこの縄なわを断たち切きって、
箱梯子はこばしごのぼり塀へいを乗のり越こえましょう。
大門おおもん抜ぬければ自由じゆうの身み…
浦里うらざと嬉うれしゅうございます……」
この世よの旅路たびじの 行いく先さきは
右みぎも左ひだりも 行いきどまり
いっそ二人ふたりで 手てを取とり合あうて
渡わたる三さん途との 夫婦ふうふ船せん
闇夜やみよの名残なごりを 告つげるよに
啼ないてせつない 明烏あけがらす