「座禅ざぜんで密教みっきょう、並ならんで禅ぜん業ぎょう、貴殿きでんと神道しんとう、禅問答ぜんもんどう」
「いやいや結構けっこう、励はげんで宗教しゅうきょう、一人ひとりでゆったり工夫ごんふー茶ちゃ」
「これまた悠長ゆうちょう、気きままで遊興ゆうきょう、呆あきれた問答もんどう、一辺倒いっぺんとう」
「厭厭いやいや言いったら、退さがるが道理どうりだ、文句もんくがあるなら表おもてへ来こい」
「やるのか決闘けっとう、血ちまみれ説法せっぽう、荒技あらわざ血統けっとう、鴛鴦えんおう刀とう」
「こうなりゃ血けっ闘とう、退さがれぬ節刀せっとう、構かまえろ新刀しんとう、禅問答ぜんもんどう」
「退ひかずに問答もんどう、見上みあげた根性こんじょう、構かまえた新刀しんとう、喧々けんけんと」
「睨にらんで撃うったら、退ひかぬが道理どうりだ、荒あら人ひと神がみでも出合であわにゃ損そん」
月夜つきよに啼なく、護摩壇ごまだんの火ひ、二ふたつは今いま、相あいま見みえる
仏塔ぶっとう 遠路えんろ遠路えんろ 遥はるかなる街まちに行いき着つくまでに何度なんど
二人ふたり 刃やいば向むけ、鍔迫つばぜり合あい 喧々諤々けんけんがくがくまた夜よが明あける
「ほれみろ精魂せいこん、尽つき果はて拙攻せっこう、貴殿きでんと決闘けっとう、禅問答ぜんもんどう」
「たられば問答もんどう、泣なくまで説法せっぽう、請こうまで帰かえさん、鉄山てつざん靠こう」
「やったな頓馬とんま、腑抜ふぬけた根性こんじょう、媚こびへつらうまで、戦闘せんとう痕こん」
「もうやめなったら、聞きかない奴やつらだ、落おち着つかないから口くち噤つぐめ」
「厭厭いやいやあっちが 仕掛しかけた喧嘩けんかは 買かわない手ては無ない素すっ頓狂とんきょう」
「言いったな激昂げきこう 薄野呂うすのろ問答もんどう うっちゃれ鉄砲てっぽう!」
「あいあいさ!」
「それ見みろ逆上ぎゃくじょう、酷むごいぞ元凶げんきょう、囀さえずる小者こものが一辺倒いっぺんとう」
「五月蝿うるさい口くちから縛しばってやろうか」
「醜みにくい争あらそい余所よそでやれい!」
仏頂ぶっちょう 遍路へんろ遍路へんろ 天あまの階きざばしを駆かけるまたひた走はしる
朧月夜おぼろづきよと唐紅からくれない 喧々諤々けんけんがくがくまた夜よが更ふける
釈迦しゃかも眠ねむり、袂たもと分わかつ、月夜つきよにまた、音おと弾はじける
仏塔ぶっとう 遠路えんろ遠路えんろ 遥はるかなる街まちに行いき着つくまでに何度なんど
二人ふたり 刃やいば向むけ、鍔迫つばぜり合あい 喧々諤々けんけんがくがくまた夜よが明あけて
元もとの木阿弥もくあみ
「座禅zazenでde密教mikkyou、並naraんでnde禅zen業gyou、貴殿kidenとto神道shintou、禅問答zenmondou」
「いやいやiyaiya結構kekkou、励hageんでnde宗教syuukyou、一人hitoriでゆったりdeyuttari工夫gonfû茶cha」
「これまたkoremata悠長yuuchou、気kiままでmamade遊興yuukyou、呆akiれたreta問答mondou、一辺倒ippentou」
「厭厭iyaiya言iったらttara、退saがるがgaruga道理douriだda、文句monkuがあるならgaarunara表omoteへhe来koいi」
「やるのかyarunoka決闘kettou、血chiまみれmamire説法seppou、荒技arawaza血統kettou、鴛鴦enou刀tou」
「こうなりゃkounarya血kextu闘tou、退saがれぬgarenu節刀settou、構kamaえろero新刀shintou、禅問答zenmondou」
「退hiかずにkazuni問答mondou、見上miaげたgeta根性konjou、構kamaえたeta新刀shintou、喧々kenkenとto」
「睨niraんでnde撃uったらttara、退hiかぬがkanuga道理douriだda、荒ara人hito神gamiでもdemo出合deaわにゃwanya損son」
月夜tsukiyoにni啼naくku、護摩壇gomadanのno火hi、二futaつはtsuha今ima、相aima見miえるeru
仏塔buttou 遠路enro遠路enro 遥haruかなるkanaru街machiにni行iきki着tsuくまでにkumadeni何度nando
二人futari 刃yaiba向muけke、鍔迫tsubazeりri合aいi 喧々諤々kenkengakugakuまたmata夜yoがga明aけるkeru
「ほれみろhoremiro精魂seikon、尽tsuきki果haてte拙攻sekkou、貴殿kidenとto決闘kettou、禅問答zenmondou」
「たらればtarareba問答mondou、泣naくまでkumade説法seppou、請koうまでumade帰kaeさんsan、鉄山tetsuzan靠kou」
「やったなyattana頓馬tonma、腑抜funuけたketa根性konjou、媚koびへつらうまでbihetsuraumade、戦闘sentou痕kon」
「もうやめなったらmouyamenattara、聞kiかないkanai奴yatsuらだrada、落oちchi着tsuかないからkanaikara口kuchi噤tsuguめme」
「厭厭iyaiyaあっちがatchiga 仕掛shikaけたketa喧嘩kenkaはha 買kaわないwanai手teはha無naいi素suっxtu頓狂tonkyou」
「言iったなttana激昂gekikou 薄野呂usunoro問答mondou うっちゃれutchare鉄砲teppou!」
「あいあいさaiaisa!」
「それsore見miろro逆上gyakujou、酷mugoいぞizo元凶genkyou、囀saezuるru小者komonoがga一辺倒ippentou」
「五月蝿urusaいi口kuchiからkara縛shibaってやろうかtteyarouka」
「醜minikuいi争arasoいi余所yosoでやれいdeyarei!」
仏頂butchou 遍路henro遍路henro 天amaのno階kizabashiをwo駆kaけるまたひたkerumatahita走hashiるru
朧月夜oborodukiyoとto唐紅karakurenai 喧々諤々kenkengakugakuまたmata夜yoがga更fuけるkeru
釈迦syakaもmo眠nemuりri、袂tamoto分waかつkatsu、月夜tsukiyoにまたnimata、音oto弾hajiけるkeru
仏塔buttou 遠路enro遠路enro 遥haruかなるkanaru街machiにni行iきki着tsuくまでにkumadeni何度nando
二人futari 刃yaiba向muけke、鍔迫tsubazeりri合aいi 喧々諤々kenkengakugakuまたmata夜yoがga明aけてkete
元motoのno木阿弥mokuami