それでいいんだ 歌詞 藤田麻衣子 ふりがな付

あれは暑あつい夏なつの日ひ 照てりかざす太陽たいようの下した
自転車じてんしゃを並ならべて 一気いっきに坂さかを下くだる

そんなに急いそがなくていいよ 追おってくるものなど
まだ何なにもないのに

あんなにも彼かれらを 走はしらせたものは
きっと期待きたいだったのだろう

次つぎは上のぼり坂ざか 一人ひとりが立たってこぎ出だした
てっぺんの向むこう側がわは まだ見みえない
何なにが待まっているのだろう

その向むこうには何なにも なかったのかもしれない
自転車じてんしゃを並ならべて 夢中むちゅうで坂さかを上のぼる
ただ全力ぜんりょくで走はしる 彼かれらはきっとそれでよかった

そして時ときは流ながれた あの頃ころとは少すこし
違ちがった風景ふうけいの中なか 今日きょうも走はしってる
何なにかに負おわれて 何なにかを忘わすれて

現あらわれた上のぼり坂ざか 手てに入はいるものが
無ないともう 走はしれなくなってしまった
この私わたしは さあ どうするのだろう

そうだ熱あつい夏なつの日ひ 照てりかざす太陽たいようの下した
もう一度いちど自転車じてんしゃで てっぺんを目指めざそうか

その向むこうには何なにも 何なにもないかもしれない
自転車じてんしゃは一ひとつだけ もう隣となりには誰だれもいない
それでも ただ全力ぜんりょくで走はしる
そうだきっと それでいいんだ