ハダをそめあげたのは 太陽たいようと潮うしお
シワをきざんだのは 時ときの満みちしお
老人ろうじんは海うみから生うまれ 海うみに育そだち
海うみで生いきることしか 考かんがえたこともない
若わかさに酔よいしれた 昔日せきじつ遠とおし
友ともも女おんなたちも すでにまぼろし
老人ろうじんは浜辺はまべにひとり ひとり残のこる
岸きしに打うち寄よせるのは 変かわらぬものがたり
勝利しょうりの場面ばめんはいまも あざやかなままに
潮うしおにくもった眼めも 燃もえるほどに
老人ろうじんは戦たたかってきた さかなたちと
捕とらえねじふせ殺ごろし そして愛あいしていた
舟ふねをこぎだせ早はやく 戦たたかうものよ
くちはてなんものよ いのち愛あいせよ
老人ろうじんは海うみから問とわれ 海うみに応こたえ
海うみへ帰かえることしか 考かんがえたこともない
ハダhadaをそめあげたのはwosomeagetanoha 太陽taiyouとto潮ushio
シワshiwaをきざんだのはwokizandanoha 時tokiのno満miちしおchishio
老人roujinはha海umiからkara生uまれmare 海umiにni育sodaちchi
海umiでde生iきることしかkirukotoshika 考kangaえたこともないetakotomonai
若wakaさにsani酔yoいしれたishireta 昔日sekijitsu遠tooしshi
友tomoもmo女onnaたちもtachimo すでにまぼろしsudenimaboroshi
老人roujinはha浜辺hamabeにひとりnihitori ひとりhitori残nokoるru
岸kishiにni打uちchi寄yoせるのはserunoha 変kaわらぬものがたりwaranumonogatari
勝利syouriのno場面bamenはいまもhaimamo あざやかなままにazayakanamamani
潮ushioにくもったnikumotta眼meもmo 燃moえるほどにeruhodoni
老人roujinはha戦tatakaってきたttekita さかなたちとsakanatachito
捕toraえねじふせenejifuse殺goroしshi そしてsoshite愛aiしていたshiteita
舟funeをこぎだせwokogidase早hayaくku 戦tatakaうものよumonoyo
くちはてなんものよkuchihatenanmonoyo いのちinochi愛aiせよseyo
老人roujinはha海umiからkara問toわれware 海umiにni応kotaえe
海umiへhe帰kaeることしかrukotoshika 考kangaえたこともないetakotomonai