鍋なべと茶碗ちゃわんを 揃そろえただけで
それを所帯しょたいと 呼よぶ頃ころは
何なんのつらかろ 逆巻さかまく波なみも
たのしい苦労くろうと 受うけとめて
しぶきを浴あびる 夫婦岩めおといわ
(音戸おんどの舟唄ふなうたより)
エーヤーレーまことに頼たよりにエー
命いのちを漕こげば
夜よるの明あけない ヤーレー 海うみはない
波なみをかき分わけ 出でてゆく舟ふねを
隠かくれ筏いかだが じゃまをする
目めには見みえない 命いのちの瀬戸せとを
心こころの目めをあけ 漕こぎ抜ぬける
男おとこの夢ゆめは 春はるの海うみ
海うみに浮ういても 波なみには染しまず
空そらに浮ういても 鳥とりのまま
うたう鴎かもめの のどかさ白しろさ
この世よの理想りそうを うつし絵えの
調しらべにのせる 春はるの琴こと
鍋nabeとto茶碗chawanをwo 揃soroえただけでetadakede
それをsorewo所帯syotaiとto 呼yoぶbu頃koroはha
何nanのつらかろnotsurakaro 逆巻sakamaくku波namiもmo
たのしいtanoshii苦労kurouとto 受uけとめてketomete
しぶきをshibukiwo浴aびるbiru 夫婦岩meotoiwa
(音戸ondoのno舟唄funautaよりyori)
エeーヤyaーレreーまことにmakotoni頼tayoりにriniエeー
命inochiをwo漕koげばgeba
夜yoruのno明aけないkenai ヤyaーレreー 海umiはないhanai
波namiをかきwokaki分waけke 出deてゆくteyuku舟funeをwo
隠kakuれre筏ikadaがga じゃまをするjamawosuru
目meにはniha見miえないenai 命inochiのno瀬戸setoをwo
心kokoroのno目meをあけwoake 漕koぎgi抜nuけるkeru
男otokoのno夢yumeはha 春haruのno海umi
海umiにni浮uいてもitemo 波namiにはniha染shiまずmazu
空soraにni浮uいてもitemo 鳥toriのままnomama
うたうutau鴎kamomeのno のどかさnodokasa白shiroさsa
このkono世yoのno理想risouをwo うつしutsushi絵eのno
調shiraべにのせるbeninoseru 春haruのno琴koto