涙なみだぐんだような碧あおめた月つきが うとうと
している隙すきに忍しのび込こんで来きて 部屋へやを浄きよめって
いる 何なにかが近ちかづく気配けはいがしている
壁かべや床板ゆかいたの密ひそやかな息いきに 雨あめが吹ふき
なぐる とても不可思議ふかしぎな夜よるだった
時ときが羽撃はばたいて辺あたりを顫ふるわす
底そこ知しれず深ふかい二月にがつが漂ただよい 眩瞑まばゆく弾はじける
敵てきがいるんだ硝子がらすのように 冷つめたい
つめたく螺子ねじ曲まがった針はりの 背後はいごに
蟄ちつれている とても不可ふか思おもい義ぎな夜よるだった
暖あたたかい布団ふとんを温々ぬくぬくくと纏まとう 私わたしは冷つめたい
何なにを怨あだうか 何なにを呪のろうか
硝子がらす壜びんの底そこで喘あえぎ苦くるしんで 冷静れいせいに
落おちる 可笑おかしくもないのに 笑わらい出だし
たかった とても 不可思議ふかしぎな夜よるだった
涙namidaぐんだようなgundayouna碧aoめたmeta月tsukiがga うとうとutouto
しているshiteiru隙sukiにni忍shinoびbi込koんでnde来kiてte 部屋heyaをwo浄kiyomeってtte
いるiru 何naniかがkaga近chikaづくduku気配kehaiがしているgashiteiru
壁kabeやya床板yukaitaのno密hisoやかなyakana息ikiにni 雨ameがga吹fuきki
なぐるnaguru とてもtotemo不可思議fukashigiなna夜yoruだったdatta
時tokiがga羽撃habataいてite辺ataりをriwo顫furuわすwasu
底soko知shiれずrezu深fukaいi二月nigatsuがga漂tadayoいi 眩瞑mabayuくku弾hajiけるkeru
敵tekiがいるんだgairunda硝子garasuのようにnoyouni 冷tsumetaいi
つめたくtsumetaku螺子neji曲maがったgatta針hariのno 背後haigoにni
蟄chitsuれているreteiru とてもtotemo不可fuka思omoi義giなna夜yoruだったdatta
暖atatakaいi布団futonをwo温々nukunukuくとkuto纏matoうu 私watashiはha冷tsumetaいi
何naniをwo怨adaうかuka 何naniをwo呪noroうかuka
硝子garasu壜binのno底sokoでde喘aeぎgi苦kuruしんでshinde 冷静reiseiにni
落oちるchiru 可笑okaしくもないのにshikumonainoni 笑waraいi出daしshi
たかったtakatta とてもtotemo 不可思議fukashigiなna夜yoruだったdatta