夕焼けは嫌い 歌詞 新井満 ふりがな付

夕焼ゆうやけは嫌きらいだったは
部屋中へやじゅうが 真赤まっかになってさ
窓まどのカーテンも 布団ふとんも 灰皿はいざらも
あなたも……
雨あめの日ひは楽たのしかったは
部屋中へやじゅうが 洗濯物せんたくものだらけ
隠かくれん坊ぼうしたら 怒おこられたはね
階下したの人ひとに……
覚おぼえてますか ほら
傷きずついた小鳥ことりが 飛とび込こんで来きた時とき
二人ふたり 喧嘩けんかやめて ほら
看病かんびょうしたはね 夜明よあけまで

ほんとうは 欲ほしかったの
名前なまえまで 考かんがえていたけど
あなたの邪魔じゃまに なるだけだと
あきらめた……
涙なみだなんか 零こぼさないは
あの夕陽ゆうひが 眩まぶしいだけなの
昨日きのうまでの暮くらしを 今いま 捨すてて 一人ひとり
部屋へやを出でて行いく 私わたし……
もう 忘わすれ物ものはないかと
そっと 後うしろを 振ふり返かえってみれば
ひび割われた 白しろい壁かべに
陽ひに焼やけた 想おもい出でのカレンダー