昭和縄のれん 歌詞 走裕介 ふりがな付

ひなびた路地ろじの 縄なわのれん
焼鳥やきとりは世間せけんのすみで 味あじわうものと
酸すいも甘あまいも かみわけた
父ちちのこだわり いまわかる

酒さけとおんなは 二舎にしゃ<号ごう>まで
愚ぐにもつかない 冗談じょうだん云いって
酔よえばときどき 笑わらいとり
手酌てじゃくのすきな 父ちちでした

ひとのじゃまにならぬよう
ひとをおしのけ生いきぬよう
努つとめてがんこを よそおった
そんな父ちちが いまもしずかに
飲のんでいそうな 縄なわのれん

はたらきながら いやなこと
父ちちはいっぱいあった はずだろうに
折おり目めただしく 生いきぬいた
そして昭和しょうわも 幕まくをとじ

父ちちと母ははとの あいだには
ほんのすこしの 波風なみかぜあった
そんなときには 縄なわのれん
ひととき逃にげる 場所ばしょでした

ひとのじゃまにならぬよう
ひとをおしのけ生いきぬよう
努つとめてがんこを よそおった
そんな父ちちが いまもしずかに
飲のんでいそうな 縄なわのれん

そんな父ちちが いまもしずかに
飲のんでいそうな 縄なわのれん