骸 歌詞 陰陽座 ふりがな付

骸むくろ 藪やぶから棒ぼうに
骸むくろ 穢土えどから浄土じょうど
骸むくろ 躯むくろは朽くちて
骸むくろ 蠅はえ虫むしが「御馳走様ごちそうさま」

骸むくろ 正直者しょうじきものも
骸むくろ 業突張ごうつくばりも
骸むくろ 孰いずれも終ついに
骸むくろ 畢おわりが待まつ

なれど此この世よはいけず也なり(衲どう)
生なまくるも死しぬも儘ままならぬ(衲どう)
架空かくう無稽むけいの鐘かねの音ねに(膿うみ)
諸行無常しょぎょうむじょうの響ひびき無なし

骸むくろ 死しぬるを忌いみて
骸むくろ 死しに遠とおざかり
骸むくろ 死しぬるを忘わすれ
骸むくろ 生なまくるも忘わする

骸むくろ 生なまくるは業ごう
骸むくろ 死しぬるは渺びょう
骸むくろ 何いずれも対たいに
骸むくろ 目指めざすは骸むくろ

なれど此この世よはいけず也なり(衲どう)
生なまくるも死しぬも儘ままならぬ(衲どう)
支離滅裂しりめつれつの鐘かねの音ねに(膿うみ)
諸行無常しょぎょうむじょうの響ひびき有あり

産うまれ生なまくるは 節理せつり
伽とぎや戯たわむれに非ひず
生いきて死しぬるは 条理じょうり
人間にんげんの肆意しいは不要ふよう

赤子あかごも 老ろう入いれも
生なまくれば 死しに逝いく
野郎やろうも 女郎じょろうも
死しぬれば 消きえ去さる

然さり乍ながら ともすれば 舞まい墜おちる

聖者せいじゃも 愚ぐ拙せつも
生なまくれば 死しに逝いく
美童びどうも 醜男ぶおとこも
死しぬれば 腐くされ切きる

然さり乍ながら ともすれば 舞まい墜おちる
惟神かんながら 在ありし世よは 遠離とおざかる

産うまれ生なまくるは 節理せつり
伽とぎや戯たわむれに非ひず
生いきて死しぬるは 条理じょうり
人間にんげんの肆意しいは不要ふよう

我われ 生いきて 塵ちりに継つぐ
我われ 逝いきて 散ちりぬる